第四十九話 スポーツカーとデイセーラー



      
スポーツカーを走らせると言っても、いつも、飛ばしているわけじゃない。ゆっくり走る事も多いし、高速でも速度制限されているわけです。それでも、スポーツカーの走りは気持ちが違います。スタイルの良さ、座席の低さ、加速の良さ、カーブを曲がる感じ。どれを取っても、スポーツしてるという感じ。これら全体の要素が、気分を盛り上げてくれます。

私の車は普通の乗用車、ひとりで乗ってる時は、何ら不満はありません。結構、良く走りますし、実用的には、問題無い。しかし、誰かを載せると重くなって、加速がぐっと悪くなる。それでも、実用性としては問題があるわけではありません。ちょっと気持ちが、うん? となるだけです。

車は実用性を考えます。スポーツカーは遊びです。遊びですから、感覚が重要になります。それで、ヨットは遊びです。でも、クルージング艇は旅としての実用を考えます。レーサーもレースとしての実用を考えます。ところが、デイセーラーは純粋な遊びです。スポーツカーと同じです。だから、感覚が重要です。

それで、デイセーラーはスポーツカーと同じと言ってます。 デイセーラーとしてのセーリング感を楽しみます。SADRが15から40迄ありますから、パフォーマンスはいろいろ選べます。でも、共通なのは、スタイルの良さとか、コクピットの低さ、重心の低さ、滑らかさ等々です。これら全体が、気分を盛り上げてくれます。だから、セーリングの奥に入り易い。せっかくのヨットですから、海でしか味わえないフィーリングを大事にしたいです。陸上には何でもあります。しかし、このフィーリングはありません。

セーリングからその妙を味う。その世界を手に入れる。せっかく何年もヨットやるなら、そこまでやった方が充実したヨットライフにする事ができると思います。もちろん、クルージング艇でもそれができます。しかし、フィーリングは全然違ってきます。それがデイセーラーである所以でもあります。

        

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