第二十話 アルコナ 380




        セーリングを重視するという事は、それはスピードを意味するだけでは無く、セールフィーリングも
       重要になると思います。何故なら、ヨットは遊びであり、フィーリングは、スピード以外にも、あらゆ
       る処に感じられるわけですから。それで、排水量はより軽く、でも、船体は硬く、船体剛性も高くな
       ければならない。おまけに、クルージング性をも重視して、内装を造り込むわけで、その分も含め
       て、軽く、硬く、強く。

       最新のバキューム/インフュージョン工法は、その目的に最適だと思われます。その上で、ストリン
       ガーはもちろん、バルクヘッドや内装の家具類も、船体に積層されます。これらが剛性を高める事
       になるのは言うまでもありません。アルコナ社では、できるだけ内装側にモールドを使わないように
       しているのはその為です。

       アルコナヨットは全モデル、波高7m、風速28mの中で5日間以上、連続して単独航行ができる
       という規準に合格しています。そういう頼もしいヨットですが、同時にセーリング性能も高めている
       処にこのアルコナヨットとしての価値があります。

       排水量は6,850kg、バラストは2,400kg、セール面積は86.4u(107%ジブ)です。これで
       SADRを計算しますと、24.2です。こういうヨット群の中では結構高い方です。このヨットは比較的
       新しいモデルで、ツウィンラットを採用、デザイナーと造船所の意気込みが感じられます。内装も
       しっかり造って、その上で、パフォーマンスも重視です。硬い船体も伴って、滑らかなセーリングが
       期待できますし、これなら、ロングクルージングにも安心です。。

       ただ、デイセーラーとは違って、シングルハンド仕様ではありません。オートパイロットを使えば、
       それも可能ではありますが、しかし、セーリングを堪能する時は、オートパイロットでは無く、自分
       の手で舵を握りたいです。 ダブルハンドなら良いですね。かなりレベルの高いヨットです。

       クルージングを楽しむも、日常ではデイセーリングを堪能できる。日常は重要なポイントだと思います。
       

  
  
  
  
       

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