第百話 セーリングイメージの創造



      
全ての艤装を操作できるようになったら、次にそれを全部統合して、今度は自分のセーリングイメージを創造していったら良いのではないかと思います。 いろんな角度の、いろんな風速の時のセール形状をイメージして、ちょっと風が強くなったらリーチを少し開いたり、その変化形もイメージしたりします。

恐らく、これまで散々やってきたセーリングで、既に、セール形状のイメージがある程度出来ていると思います。だったら、今後は、そのイメージを意識しながら走ると、セール調整なんかもしやすくなるのではないかと思います。操作は既に解っていますから。

セーリングは難しいとか、奥が深いとか言いますが、そんな事は関係無く、自分のセーリングイメージを創造して、そのイメージをさらに洗練させていく。それは、自分の操作を洗練していく事にもなると思います。
そして、多分、もうあれこれ考える部分は減少して、反応的な操作が出来る割合が多くなって、よりフィーリングに重点が置かれるようになり、もはや、難しいかどうかなんて、どうでも良くて、今、この瞬間のセーリングに浸る事が多くなのではないかと思います。

もちろん、セール形状だけのイメージでは無く、あらゆる部分においてのイメージであり、それは舵操作のイメージ、ヒールのイメージ、スピードのイメージ、あらゆるセーリングを含むイメージです。まあ、いわゆるイメージトレーニングみたいなものでしょうか。これはセーリングしていない時でも、頭の中のバーチャルとしてもできますね。それが明確になっていけばいく程、操作は洗練されていくのではないかと思います。これは、自分自身のセルフイメージでもあるかと思います。

結局、セーリングの面白さとは、自分のセーリングを創る為に、自分の理想に一歩づつ近づけていく処にあるのではないでしょうか? だから全部の艤装を操作できるようになる事で、理想のイメージを描けるようになれるのではないでしょうか? 当然ながら、自分のフィーリングも洗練されていくと思います。このイメージを洗練していくのに、終わりは無いのかもしれません。

        

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