第九十話 ノルディックフォーク 25

このヨットは、元々はデイセーラーというわけでは無く、1941年に当時のレーサーとして木造にて建造されたヨットです。レーサーとは言え、外洋性もあり、世界一周や大西洋の横断などの実績もあるヨットです。このヨットは世界的に有名で、現在でも世界中に愛好家が居て、ワンデザインのレースも盛んですし、デイセーリングも楽しまれ,現在では世界中に4000艇以上が進水しています。現在は当時の木造艇と同じハルシェイプでFRP建造されています。

さて、今日の目で見ますと、決して軽くは無いし、速いわけでもありません。しかし、極めて強風に強く、波に対しても非常に柔らかいので、乗り心地は抜群です。排水量は1,960kg、それに対してバラストが1,040kg、そしてセール面積が小さいんですね、24uです。これで計算しますと、SADRは15.5です。確かに、数値は低い。ですから微軽風では微軽風用のファーリング式セール(ジェネカー兼用)を使います。そうすると、俄然面白くなります。そして、強風には非常に強い。

キールはロングキールです。後進時の舵効きは確かに悪い。でも、船外機で、このエンジンそのものを振って、横にしてやると、これはもう殆どスターンスラスターですから、その場回頭できるぐらいになり、簡単に出し入れができます。また、その船外機は、コクピットからロープを引くだけで、デッキ上にスライドさせて引き上げる事ができます。今日ではラダーブレードに仕込んだエレクトリックモーターもあります。

マストとブームは木製(スプルース)、これが標準です。現在ではアルミ製もありますが、いわく、木製マストの方がこのヨット本来の乗り味があると言われます。重いヨットですが、極めて時化に強いので、いつでも安心です。

  
  
  
  
 左の写真は微軽風兼用ジェネカー、ファーリングシステムです。

  

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