第九十四話  そうか! 新たな視点

デイセーラーの効用はスポーツする事で最もその違いが解ると、延々と書いて来ました。頭と心を鍛えるとか書いて来ました。その事に間違いは無いと思っています。しかし、考えてみたら、スポーツでは無くても、のんびりセーリングだとしても、デイセーラーの特性を楽しむ事ができる。そういう簡単な事に、やっと気づきました。意識しなくて走っていても、デイセーラーのセーリングは違います。その特性をちゃんと享受しています。

あるオーナー曰く、細かい操作が好きな人は、ピクニックしていても気になるし、そうで無い方は、気にならない。これは性格でしょうね。でも、ピクニックだからと言って、やっぱり速い方が面白い。
細かい事は何もしないでも、普通にやって速い方が楽しいでしょう。確かに。スピードのレベルはいろいろあるだろうけど、でも、安定していて、そこそこ速い方が、そのセーリングが何だろうが、ピクニックだろうが、やっぱりその方が気持ちが良い。

スポーツしようが、ピクニックしようが、セーリングを楽しむ限り、デイセーラーはその特性を発揮します。ピクニックでゲストとおしゃべりしていようが、コクピットの海面への近さは変わらないし、ハルの硬さは変わらない、それに操船だって簡単なのは同じだし、加速感もあるし、安定性も高い。それらをより明確に感じる為に、スポーツと言ってきました。しかし、ピクニックだって、その特性は活かされています。

スポーツカーは何も高速で走っている時だけ、その特性を味わうわけでは無く、高速では無いにしても、普通に運転していても、やはりその走りから来る感覚は違います。それと同じで、ゆっくり走っても、やはりデイセーラーはデイセーラーの特性があります。

スポーツ派は、いろんな工夫をして、走らせようとします。一方、ピクニック派はそんなにセーリングにいろいろ操作するのでは無く、のんびりと味わいたい。ゲストとのおしゃべりも楽しみたいわけで、そういう時でも、デイセーラーだったら、操船は簡単だし、普通のクルージング艇よりも、気軽だし、舵切る時も、そのフィーリングを、意識せずとも味わっているわけです。先日、クルージング艇に乗り、感じた事は、舵を切った感触がぜんぜん違いました。クルージングなら良いんですが、デイセーリングなら、ピクニックでも、ちょっと楽しさが違う。

スポーツばかりを強調してきましたが、ピクニックだって、セーリングの様相は全然違う。何も、スポーツしなければデイセーラーの良さが解らないわけじゃない。人は細かい操作をするのが好きな方もおられるし、そうで無い方もおられます。どっちでも、デイセーラーの特性を感じられます。

という事で、小さな事ですが、やっとその事に気づいた次第です。ピクニックでも良いんだという事です。それで、どの様なスタイルでセーリングするかは、オーナーのお好み次第で、いかなるセーリングでも、セーリングする限り、デイセーラーはその効果を発揮します。

いくらピクニックだって、セーリングが滑らかで、スピード感もあったら、楽しさも全然違ってきます。鈍いヨットより、ある程度は鋭敏で速い方が、気分は全然違います。それも、恐らく世界で最も簡単操作で可能です。やっぱりデイセーラーはスポーツカーです。

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