第九十話  最近の外洋艇 

どうしても、キャビンが必要で、遠出のクルージングもしたいという方々には、ひとつだけ、例外的にデイセーラー以外のヨットを扱っております。もちろん、これにもちゃんとした理由があります。

アルコナヨットというスウェーデンのヨットです。何故、これだけデイセーラー以外で扱っているかと言いますと、遠出のクルージングもできますが、同時にセーリングを重視しているからです。つまり、遠出のクルージングをされる方でも、日常的にはセーリングを堪能できるからです。

昔の外洋艇は、ひたすら重く、頑丈で、鈍かった。でも、最近の外洋艇は、セーリングしても結構速いのが出てきています。速く走れれば、一日の行動範囲は広くなる。そういう考え方です。もちろん、外洋だからエンジンは使いません。よって、セーリング性能は重要となります。そして、この高い帆走性能があるからこそ、日常にはセーリングを楽しむ事ができます。

スウェーデンのアルコナヨットはそういうヨットであり、これが当社が取り扱う理由です。 7mの波、風速ではビュフォート10(48〜55ノット)の状況で、5日間以上自走できるという条件をクリアーしています。それでいて、SADR値はハイパフォーマンスなのです。これは建造における技術進化のお陰でしょう。このヨットもバキューム/インフュージョン工法を使っているし、船底にはごつい補強フレームが入り、バルクヘッドやキール,マストにかかるストレスを受け止める。そのうえ、内装も造りこんであります。

こういうヨットに乗ると、時化の中でも、安心です。これはデータに寄る気持ちだけの問題では無く、実際に走っていてそう感じるものです。船体がしっかりして頼れる感じが伝わってきます。だから、外洋に行く事が無くても、安心なのです。沿岸だって時化る時は時化ますから。

昔は、ロングキールが直進性が良くて良いと言われていましたが、今日、デザインさえ良ければ、フィンキールだって直進性は良い。
 
       
       最新モデルのアルコナ380

       
       内装は良く造りこんであります。

        船底フレーム

       アルコナ380
       排水量          6、850Kg  
       バラスト重量       2、400Kg
       メインセール       47.5u
       ジブ(107%)      38.93u
       SADR           24
       バラスト比        35%
       バラスト/セール    27.8Kg

通常のセーリングに使うに、パフォーマンスは良いし、スタビリティーも高い。おまけに外洋性もあるので時化に遭遇しても安心。こういうヨットこそ、旅に相応しいし、セーリングも面白い。日常はデイセーリングを楽しみ、たまにクルージングもと考える方には御勧めです。

他のモデルとして、アルコナ340、400、410、430、460というサイズがあります。

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