第八十七話 頻度

どの程度でやるか? この頻度というのは案外重要な事で、月に1回か、2回か? 或は数ヶ月に1回? 高い頻度と低い頻度、これによって考え方は違って来ると思います。

頻度が低ければ、そこに要求する事はあまり変化は大きくなくても良いかもしれません。月に1回程度のピクニックをするのなら、毎回、何か違う事を求めなくても良いかもしれません。しかし、もっと頻度を上げていくとすると、そこに何か変化、刺激等々違う何かを求めます。それが無いと刺激が少なくなる。

宴会にしても、ピクニックにしても、ヨットに泊まるにしても、頻度が少なければ、それなら、そうそう刺激を求める必要は無い。前回の時と間があいている事で、十分な刺激になるからです。では、その程度の頻度の使い方で満足なのか? そこが問題です。

たま〜にしか乗らないなら、ピクニックで十分楽しめると思います。その人が、少し頻度を上げていったとします。そうしますと、何か違う事を求めるようになります。そうでないと刺激が少ないからです。で、どうするかと言いますと、ちょっとセーリングに前回より多く注意力を向けたり、或は、違う誰か誘ったり、何か変化を付けようと考えたりします。持っていく食べ物に違いをつけたり、ピクニック後に宴会を企画したり? 何か、変化を求めます。たまに、外食するなら、近くのレストランで済ますかもしれませんが、頻度があがると、今度はあっちに行ってみようとか考えるのと同じです。

問題は頻度だと思います。たまにヨットに接するか、しょっちゅう接するかによって、使い方は違って来る。たま〜にで良いなら、あまり考える必要は無いと思いますが、ある程度頻度を上げていくとなると、考える必要が出てきます。今度は向こうのレストランに行こう、今度はイタリアンにしようとか、そういうものです。

それで、デイセーリングを推奨していますが、これは高い頻度を前提にしています。だからこそ、気軽に出せて、シングル仕様なのですから。それを実行していきますと、高い頻度ですから、それなりの変化を、刺激を求める事になります。それをセーリングに置いています。ピクニックではありません。宴会でも無い。

セーリングに刺激を求めるとなりますと、ヨットに対して、それなりのポテンシャルが必要になり、乗り手は、よりセーリングを面白くしたいわけで、そうなりますと、より多くの知識を得て、セーリングにおいて変化を求める事は、オーナーの上達を意味していく事になると思います。

しょっちゅう乗ってますと、ああしよう、こうしようというのが自然に生まれてきて、いろいろ試したり、疑問を解いたりしていきます。これはそのまま上達を意味します。もし、頻度高く乗り始めたが、何ら、上達を求めなかったとしたら、それは退屈感が出てきて、結局は頻度を落として行く事になると思います。しかし、実際、頻度を高めると、誰でも、今度はこうしよう、ああしようというのが生まれます。

今、目の前にあるヨットをどうしたいのか? 結局はそれにかかっています。それはまた頻度にかかっていると思います。1週間に1回乗るのと、月に1回乗るのとでは全然違います。それが2〜3ヶ月に1回、年に1回、数年で1回、まあこうなると殆ど乗らないわけですが、この頻度によってヨットの乗り方は全然違うものになると思います。

この頻度は、乗るだけでは無く、ヨットに接するという事でも同じだろうし、クルージングでは、頻度とその1回に使用期間によっても違うとは思います。

どの程度の頻度で使うだろうか? 面白ければしょっちゅうやりたくなります。しかし、単なる、たまの刺激であるなら、頻度は少なくても良い。否、少なくないといけません。もし、頻度を高めたら、これまでの使い方では満足できなくなるはずです。その程度の頻度で十分満足だろうか? そこが問題だろうと思います。

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