第四十三話 計画

計画というより希望なんですが、それは日本でのデイセーラーの普及です。デイセーラーは気軽にセーリングを楽しめるヨット。初心者にも扱いやすいし、ベテランにも応える事ができる性能を持つ。だから、普段に、シングルで遊ぶ事ができますから、気軽に長くつきあって行ける。

そうすると、稼働率も高くなる。しかし、量産艇と比べたら価格が高いので、誰でもというわけにはいきません。だから普及と言っても、某ヨットみたいに、あっちこっちで見かけるようになるとは思えない。良いヨットだからといって売れるとは限りません。価格もあるし、そのイメージもあるし、もちろん用途もあります。

今のところ、多くのヨットが実際はデイセーリングをされていると思いますが、でも、そこを重視されているわけでは無いようです。心ははるか遠くの海へ。

デイセーラーはその使用範囲を狭めています。できないわけでは無いのですが、よりセーリングを高める事によって、必然的に、他(キャビン)が減じられてきます。それが選択できない大きな理由かもしれません。割り切れない方々は多いです。

しかし、それも時代の流れと共に変化してきます。その変化は、大抵は欧米からやってくる。欧米の動きを見ますと、キャビンの巨大化と機械を使ったショートハンド、その一方でデイセーラーの台頭であります。

たとえ一部の方々であっても、本当に心からヨットを楽しんで頂けるようになって、気軽に遊べるようになって頂けるようになればと思います。そうしたら、稼働率も高くなります。キャビンなんて、そう大きくなくたって充分に遊べる。むしろ、邪魔だと思う事もある。

そんなこんなで、もう20年近くデイセーラーを取り扱ってきました。その当初から全く反応が無かったわけではありません。それどころか、すごい反響を頂きました。ところが、実際にはもう一歩が踏み込めない。そんな時間を過ごしながら、最近では、徐々に勇気を出してデイセーラーを選択される方々が出てこられました。勇気が必要なんですね。その勇気のハードルも徐々に下がってきています。20年前とは違ってきました。有難い事です。

それは、昔と違って、多くの方々が、実際の使い方はどうだと気づいて来られた。キャビンをどれだけ使うか、冷蔵庫、温水シャワー等々をどれだけ使うか? 何も、全ての方々にデイセーラーが良いとは言いません。でも、デイセーラーの方が、より楽しめるのにという方々も少なくは無いと思います。ですから、今後も、この路線を続けていきたいと思います。時が経てば経つ程に、各人の使い方はわかってきますから。そうしたら、デイセーラーの存在も大きくなる。

自分に最も合った使い方に対するヨット、それが良いヨットですね。見栄もあるかもしれないが、見栄だけでは長年は持たない。でも、視点を変えれば、デイセーラーにも自慢できる処が一杯あります。ただ、ちょっと解る人じゃないとそれは通用しないかもしれませんが。

そういう事で、今後も、このTALKをデイセーラー普及の為の発信の場としていきますので、宜しくお願い申し上げます。デイセーラーはまだまだこれからです。日本ではやっと芽が出てきたかな〜という感じですから。舵社だって、昔は取り上げてくれなかったぐらいです。

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