第二十八話 自分の物にする

世の中にはいろんな分野があるわけですが、何かひとつでも良いから、あるひとつの事に精通できたら良いな〜、そういう方に憧れます。何もプロレベルで無くても構わないのですが、ある程度自分で自信が持てる程度ですね。スポーツ系でも良いし、芸術系でも、知識的な事でも、何でも良いんですが。

しかし、物事はそう簡単ではありません。かなりのエネルギーをそこに費やして習得するしか方法は無い。こればかりは、どんなにお金を積んでも手に入らない。だからこそ価値もあるし、自慢もできる。何も、自慢したいわけじゃ無いが、胸張って、応えられる。

それには、その事について、自分の物にしなければなりません。その事により理解を深めて、実践して、身も心も、馴染む事が必要になるかと思います。自分で馴染んできた感じがわいてきますと、何だか面白さもわいてきます。だから、もっとやれるようにもなります。知識も技術も必要ですが、最後は自分のフィーリング頼りかな?

これは幸いにも、あらゆるレベルで馴染み感を感じる事ができる。例えそれがビギナーであっても、そのレベルでの馴染み感を感じる事ができる。そうすると、ちょっと上手くなったかな、なんて感じたり。でも、次回にはその感じがまた戻っていたり。そこで、続ける事が肝心で、部分を見れば、そこで上下している波が、遠目で見ますと、全体的には確実に上手くなっている。

自分の物にするというのは、教えられた通り、セオリー通りにできるという事では無く、自分で考えて、自分主体で操作ができる、自分からアイデアが生まれたり、セオリーに疑問を抱いたり出来る事ではないかと思います。簡単ではありません。しかし、続けた人だけが獲得できる。簡単では無いだけに、価値があります。そしてそこに面白さがある。

セーリングに精通し、自由自在に走る事を夢見て、ああしたい、こうしたい。という事は、自分の物にするという事は、上手さのレべルでは無く、自分で考える事かもしれません。という事は、どんなレベルでも、自分の物にする事ができる。自分のレベルで理解して、向上させる事ではないかと思います。何故、そうなのか?と自分で考え、答えを得ようとする事、それが自分のものにするエネルギーではなかろうか?そして、やがては、そこにかなり精通してきます。そこに至るには、かなりの時間とエネルギーを費やしてきたはずです。そのエネルギーは努力では無く、面白さのエネルギーで無ければ続きません。だから、楽しむ事を基本に、続ける事が重要です。

自分の物にして、精通した方、精通していくプロセス、あらゆる分野において、そういう方がおられますが、いつか自分もと思いますね。それこそ自由自在度が非常に高い。たかがヨットに何故、そこまでするか? 簡単に言えば、その方が面白いからであります。何度も言いますが、ヨットというものは、楽しいだけでは続かない、面白くなくてはならないと思っています。その方法が自分のものにするという事ではないかと思います。

次へ      目次へ