第二十一話 クルージングを考える

デイセーラー愛好者にとって、クルージングに魅力が無いわけではありません。ただ、クルージングするには、何日も必要だし、時に時化て我慢の時間も長いし、しかも、時間が限られていると、兎に角目的地に急いで行きたくなります。だから、どうしてもエンジンでの走行が増える。

それはそれでも良い。たまに、どこかにのんびり行くのも良いもので、ヨットに泊まるのもおつなもんです。デイセーラーのキャビンが小さいとは言っても、少人数なら泊まる事もできるし、何ら問題はありません。一泊二日、或は、せいぜい2泊3日ぐらいが適当かな?個人的には充分な長さです。

できれば、距離は短くして、できるだけセーリングで行けたら良いとは思います。デイセーラーがシングル可能とは言っても、クルージングの時は誰かを誘っていきたいですね。その方が楽しそうです。普段のセーリングの探求とは、様相が全く違う。そんなクルージングも、たまには楽しそうです。

そんな短いクルージング、俗に言うウィークエンドクルージングに、特別な何かが必要というわけでもありません。普段の通り、それにお弁当や飲み物を買って、持って行くだけで充分。後は、行った先の散策や食事等を楽しむ。年に1回とか2回とかで充分かもしれない。

さらに、シングルにおけるセーリングの探求以外では、デイセーリングならぬピクニックセーリングと称して、誰かを誘ってピクニックセーリングもやります。これはクルージングよりも回数多くできますね。

また、時に、ローカルのレースに参加しても良いし、たまにはヨット泊も良い。考えてみれば、デイセーラーで何でもできるのです。サンセットセーリングもできるし、ビール飲んで、泊まって、翌朝、サンライズセーリングも可能。ヨットはそれだけ身近になりますし、身近に感じれるようにした方が良いと思います。そうでなければ、ヨットを本当に楽しむ事はできないかもしれません。

最近のクルージング艇で、でかい船体でも、ジョイスティクで簡単に動かせますというのがありますが、確かに理屈は簡単でも、気持ちの上で、気軽になれるんだろうか? そんな疑問も無いでは無い。あのでかさに気軽さを保てるのか? 余計なお世話かもしれませんが。やっぱり、あのでかさには、クルーがひとりは欲しいかな?特に強風になったらどうだろう?それに、あのでかさでは、ひとりでは寂しい気もします。

最近は優秀なGPSがあるので、ナビゲーションは楽だし、オートパイロットもあるし、昔に比べたら、楽に、どこにでも行けるようになりました。でも、やっぱりセーリングの方に魅力を感じます。だから、クルージングもピクニックもレースも船中泊も、みんな、セーリング探求の合間に行う付録みたいな、アクセントみたいな、そんな感じでつきあっても良いかなと思います。

もちろん、人それぞれで考え方も違います。だから、自分の主軸をひとつ設定して、そこを中心に考えるようにした方が、メリハリができて充実していくと思います。それで、デイセーラーならセーリングの探求が主軸です。そこに面白さを得たら、他は、いかようにも楽しめると思います。デイセーラーにとって、セーリングは面白さであり、その他は楽しさがあれば良い。セーリングの探求と言っても、気軽にやれば良いと思います。楽しさと面白さは分けて考えた方が良いような気がします。

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