第三十話 フルセールとリーフ

フルセールでどこまで走れるか? これは重要なファクターかもしれない。しかし、あるヨットは10mが限界かもしれないし、またあるヨットは13mかもしれない。でも、無理して強風でフルセールを展開して頑張っても良いが、頑張らなくても良い。リーフはセールトリミングのひとつです。だから、自分が楽しめる範囲で、必要ならリーフして楽しんだ方が良い。強風には風を逃がすように、リーフも同じ事です。

そのヨットのバランスが良いと、強風でリーフしても、結構楽しめます。一部にはピッチングがひどかったりするヨットもありますが、そうで無い限り、いわゆる良いヨットはバランスが良い。だから、強風でも、意外と楽しめる。

10mでリーフしても良いし、それ以下でリーフしても良い。要は自分が楽しめるセーリングにしていく事が重要で、レースじゃ無いんですから。無理する事は無い。

軽い排水量にでっかいセールを設置するなら、それゃあ速いに決まってる。しかし、強風になると、その分の操作は要求されるし、早目のリーフも必要になる。それさえ厭わないなら、高いレベルのハイスピードの世界を堪能できる。だがしかし、一般的とは言い難い。

それで、一般的とは何か? これもいいかげんな表現ですが、もう少しマイルドに、でも、そこそこは速いヨット? 一般的に言って、例えば、風速15m程吹いていたら、出る人は殆ど居ないだろうと思います。でも、出た後に吹いてくる事もある。そこで、最小セール面積にして、15mぐらいまでセーリングできるとしたら、もう十分ではなかろうか?それ以上ならセール下ろして、エンジンで帰ります。もちろん、ヨットによっても違います。何メートルだろうと、最小リーフで、自分がここまでなら楽しめるという処を知って楽しめば良いかと思います。

そして、そのヨットで、ひょっとしたら、微軽風に不満が出るかもしれない。否、微軽風ではどんなヨットでも不満です。いくら軽いと言っても、確かに他のヨットよりは速いかもしれないが、でも、そんなのはわずかです。そのわずかがヨットでは大きいのですが、それは兎も角、微軽風対策としての微軽風用セールを用いた方が良い。

そうしたら、強風である程度強く、微軽風にも強いヨットが出来上がる。だから、超軽いヨットに超でかいセールは一般的には必要は無い。一部の方には堪らないセーリングの世界かもしれませんが。でも、一般的とは言い難い。

よって、結論は、リーフの活用と、微軽風用セールの活用、これによって、微軽風から強風まで、楽しめる範囲を広げていきましょう。微軽風では微軽風用セールとメインを展開し、軽風から中風まではジブとメイン、強風になったらリーフして、全般に渡るセーリングの幅を、楽しめる幅を広げよう。そして、それを全部シングルでできるとしたら、それも余裕をもって、とっても良いんじゃないでしょうか?

次へ       目次へ