第十四話 秋

まだまだ暑い。しかし、朝晩は少し涼しさを感じるようになってきました。いよいよスポーツの秋、ヨットシーズン到来であります。台風が来ますので、要注意ではありますが、年間を通じて、これからの季節が最も楽しめる時期ではないかと思います。

先日のタモリカップもそうなんですが、お祭りレースとなりますと、普段はレースに興味の無い方でも、たくさん参加されます。元々嫌いな方はそうおられないのかもしれません。タモリさんという冠も確かにはありますが、しかし、レースはレースです。走って競うセーリング。みんなセーリングが嫌いじゃ無い。

この秋、是非、良いセーリングをして頂きたいと思います。ゆったり感もありながら、どこかピリッと緊張感を持ち、セーリングの動きに集中して、充実したセーリングを味わって頂きたいと思います。良いセーリングとは何か? ヨットの動きが、その繊細さが、感じられて、工夫を加えながら、試行錯誤をしながら、その変化を感じ取っていく事ではないでしょうか?

そして、長い年月のプロセスにおいては、その積み重ねによって、レベルの違うセーリングとなっていき、その味わいも進化していく事ではないかと思います。

ひとりでも、決して寂しいセーリングではありません。集中したセーリングを楽しめると、何とじわっと充実感が沸いてきます。お祭りレースのような、ワイワイとみんなで楽しむセーリングも良いし、また、シングルでの単独セーリングも味わってみられたら、そこにも趣の異なるセーリングがあります。しみじみと味わうセーリングでしょうか? 何かベテランの味わいが秋にはあるような気がします。

秋になりますと、気温が下がってくる。暑かった夏とは違い、何かに集中するにはやりやすい季節です。何もエキサイティングである必要も無く、秋は何だか、繊細なセーリング感を味わえるような気もします。夏とは違うセーリングがある。

日本には四季の違いがはっきりしていて、セーリングには常に暖かい方が良いような気もしないではありませんが、でも、秋のセーリングがあり、冬のセーリングがあり、春のセーリングがある。まあ、夏は暑すぎて。 異なる季節の異なる趣のセーリングがある事は、考えようによっては、季節変化が無いより良いかもしれません。

では、秋のセーリングをこれからじっくりご堪能ください。

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