第九十七話 シンプル＆リッチ
| セーリングを堪能するには、たくさんの物があるより、シンプルで高品質が良い。シンプル＆リッチであります。良く造られたヨットは確実にセーリングにあらわれる。セールフィーリングにあらわれる。後は、それをどれだけ感じ取れるれるかどうかにも関わってきます。これって、自分への挑戦の様ですね。自分の腕と感覚を成長させる事になります。 柔らかいハルと硬いハルがあったら、そのフィーリングが違うのは当然です。柔らかいと言っても、フニャフニャではありませんが、危険かどうかの事では無く、フィーリングとして滑らかさが違う。 それはハルの構造、工法、ストリンガーの設置や、内装家具の設置や、様々な要因があろうかと思います。良いヨットはこのグッドフィーリングが感じられる。ただ、硬いだけで、重ければ、そういう滑かさは感じないが、ある程度軽くする事で、スピードが生まれる。そのスピードとハルの硬さによって、滑かさを感じさせてくれます。 セーリングで重要な事は、レースでは無い限りはフィーリングです。美しさと、セーリング性能と、造りの良さ（リッチ）です。他は、シンプルで良い。否、シンプルが良い。 この考え方は一般的ではありません。マイナーです。マニアックと言う人も居るかもしれません。マイナーだろうが、マニアックと呼ばれようが構わないですが、でも、一般と同じである必要性は全く無い。楽しければ、面白ければ、それで良い。セーリングに豊かさを感じるようになったら、他は、どうでも良くなる。むしろ邪魔にも思える。そういう価値観を持つ人が多くなったとしたら、もはやマニアックとは言いません。呼び名とはその程度のものですね。 良い造りの良い性能、これがリッチです。その性能を十分に味わう為に、自分の腕を洗練させていく。良いヨットはそれに応えてくれる。これがリッチでありますね。最初はたくさんの物で満たそうと考えます。それがやがて、余計な物は邪魔という事に気付きます。さらに進むと、質の良い物だけ で良いとシンプルになります。つまり、高い質に濃縮していく。求めるものが明確になっていく。使えば、使う程ですね。そこにリッチ感を感じるように変わっていく。 変な話かもしれませんが、リッチな方のご自宅に行きますと、物が無い。家は豪華ではあっても、 ごちゃごちゃしていない。スッキリ、シンプルな家が多いように思います。そのリッチな方も、ヨットを始める時は、たくさんの物で満たす処から始められる事が多い。そして、やがてはシンプルになっていく。リッチというのは、お金の事では無く、その対象とする行為における精神的豊かさにあるという事になると思います。そう言えば、私の自宅はシンプルじゃ無いな〜。物大過ぎ。 お金のリッチかプアーという財産的な物では無く、精神的にリッチになると、シンプルを好むようになると思うのです。 遠くに行くだけがヨットじゃ無い。速いだけがヨットじゃない。セーリングそのものを堪能するという乗り方もあるんです。シンプルにグッドフィーリング、リッチフィーリング！ |