第九十三話 ヨット談義

暇があったりしますと、業者間ではヨット談義をする事があります。業者として長い事やっていても、やっぱり、まだまだ、なる程ね〜と知らない事が多い事に気付きます。つまり、ヨット談義は、情報交換の最高のチャンスではないでしょうか?

走り方、メインテナンス、ちょっとした不具合、いろんな事に対して、いろんな相談ができて、その回答を、各オーナーが経験の中から話を聞けます。それが絶対正しいとは言えない事もあるでしょうが、でも、それは自分で試していけばいいわけで、新しい情報や解決策など、学ぶチャンスであります。本からでは学べない事も多いもんです。

そういうヨット談義は、昔は結構多かったのですが、徐々に無くなり、オーナー同士の談話自体も、あまりない。残念な事です。スクールで学ぶのとは違って、いろんな体験に基づく話ですから、結構為になるんですが。

それがネットの掲示板とかでは味気ない気もします。酒でも飲みながら、談笑のなかにいろいろあるんですが。そういうヨット談義によって、鼓舞される事もありますし、オーナー同士の仲間意識も高まって、助け合い精神が生まれたりもします。職業はみんなバラバラでも、ヨットという共通価値観において、助け合う。それが自然にできるのが、ヨット談義でありますね。

オーナー同士だから良いんですね。業者が入ると、損得勘定が入り込むかもしれないし。ですから、是非、チャンスがあったら、ヨット談義をしていただきたいと思います。誰かに、普段疑問に思う事を尋ねてみれば良い。そこから始まると思います。

但し、何でも鵜呑みはいけません。変な話になって恐縮ですが、中途半端に詳しい方が時々おられますから、自分で理論的に納得できるかどうか、そして、実際に自分で試してみる姿勢はもっておいた方が良いのではないかと思います。

中途半端な知識というのは、思い込みです。どこかの本で読んだ思い込みとかがあります。こうでなければならないとかの思い込みです。そういう思い込みがありますと、そこは絶対になるわけで、全てをそこに合わせる事になります。場合によっては、納得できないと思う事もあります。それで良いんだろうと思いますが。納得できるかできないかは重要だろうと思います。

兎も角、チャンスがあればヨット談義を起こしていただきたい。最初は単なる質問から始まる。そこから膨らましていければ、ヨット談義がしょっちゅうなされるようになるかもしれません。そして、なる程と思う事があったら、それは良い事ではないでしょうか?学ぶ事はたくさんあるし、知れば、それが結構面白い。だから、楽しく、面白いヨット談義が、あっちこっちでなされる事を願います。

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