第七十四話 時間

要は時間? 時間がどれぐらいあるのか? それによって、何ができるのかというのがだいたい決まってきます。クルージングするに、時間は、その行き先を制限します。1日なのか、1週間なのか、1ヶ月なのか、或はもっとか? また、年に何回そういうチャンスがあるのかも、問題です。

現代の文明は我々に暇を与えるどころか、もっと忙しくします。昔の2倍、3倍の仕事をするようになりました。この意味は、便利な世の中になって、暇がたくさんできて、もっと自由にできる時間が増える事を希望したのでしょうが、そうは行きません。暇ができたら、もっと働くのが、我々であり、それが資本主義の競争原理でもあります。

ですから、仕事を引退するまで、一般的にはですが、暇なんて無いわけです。若い時に早期退職して、悠々自適という事は多くは無いわけです。でも、仕事が面白くて続ける人も居ます。仕事イコール辛いもの、遊びイコール楽しいもの、という分け方は、実際は少し違うようです。

仕事と遊び、その時間の割り振りをどうコントロールしていくか? 仕事が面白いと言っても、そこには辛い事もあります。また、競争原理が働いて、常に新しいアイデアも求められます。それは、意外と遊びの中から、リラックスした中から飛び出てくる事もあるし、一旦頭脳をリセットして、再び取り組む際に出てくる事もあります。だから、遊びは疎かにはできないものです。

さて、時間についてですが、こればかりは、みんなに平等に振り分けられています。要はその時間をどうするかになります。年を取りますと、時間が経つのが早いと感じられるようになります。それは多分、子供の頃は新鮮な事ばかりだったのが、たくさんの経験を積む事で、知っている事ばかりで、新鮮さが失われたせいかもしれません。

もし、そうならば、常に新鮮な気持ちを持てれば、面白さも増していくのかもしれません。それには、好奇心とか、何かの探究心とか、そういう気持ちが必要なのかもしれません。時間をどうのように使うか?のんびりリラックスも必要です。しかし、それだけでは、不十分。かといって、せわしなく何かをするというのも不十分かもしれません。

いろんな事がたくさんあった方が良い。いろんな変化を経験していく事が、食事で言うならご馳走であります。少しづつたくさんの変化があると、面白さにつながると思います。食事のフルコースみたいに。

ですから、のんびり、寝泊り、ピクニック、セーリング、シングル、誰かを誘う、クルージング、レース、ヨットでできるいろんな事を、どんどんやった方が良いと思います。その中で、最も変化に富むのが、セーリングだと思います。セーリングは、乗り手がその気になるならば、変化がたくさんあります。そこを中心に、これをメインディッシュとして、その他の様々なおかずを取り混ぜながら、全体の時間を管理するというのは如何でしょうか?

時間を沢山お持ちの方は、クルージングをメインにできるでしょう。年間で最も多い時間の使い方です。でも、忙しい方は是非、セーリングをメインにされてはと思っています。メインディッシュをきちんと意識してけば、おかずはいろいろ、その時々に応じてアレンジですね。ですから、当社としては、デイセーラーとハイパフォーマンスクルーザーに絞って取り扱っております。

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