第三十四話 デイセーラーの行方

さて、世界で様々なデイセーラーが次々にデザインされ、市場にデビューしてきます。この先はどうなんでしょうか?ずっと、デイセーラーを追いかけてきて感じる事はひとつです。

デイセーラーの出現は、デザイナーの自由度を高めてきたという事です。それは、キャビンの広さをそう重視して考えなくて良くなった。この事は大きいと思います。でかいヨットであれば、キャビン確保はそう難しくありません。でも、一般に我々が乗るサイズですと、いかに広くがクルージング艇の課題のひとつにもなります。

でも、それがはずれてしまえば、いかにセーリングをするかという事を考えていけば良いわけで、その分、キャビンが狭くなっても、誰も文句は言いませんという事になります。そして、ヨットにおいて、セーリングをいかにと問うのは当たり前の事でもありますし、ヨットデザイナーとしては、これは最も本領を発揮できる処でもあると思います。

この自由度が、この先、いろんなデイセーラーを生み出していくと思います。これまで以上に、面白いヨットが出てくる可能性があると期待しています。これはスポーツカーの世界と同じではなかろうか?
フェラーリやポルシェには時速300kmを超えるスポーツカーもあるようです。もうレーシングカーの世界です。そういう方向に発展するデイセーラーもあります。或は、最高速度はそこまで無くても、いろんな面白いスポーツカーがあります。それと同じように、いろんな進化をしていくのではないかと思います。デザイナーはそのデザインにどんな味付けをしていくか、そこに自由度が高まったのではなかろうかと思います。



  コードゼロという名前のヨットです。33フィート
  あります。デッキ上を見ますと、クラシックな
  臭いがして、ハルはモダン、内装はまたモダン
  系ですね。
  カーボンサンドイッチ構造です。



デイセーラーは美しさと帆走性能を求めるスポーツヨットです。それに、プロが乗るわけでは無いので、操作性も必要です。簡単で自由自在、スイスイセーリングです。

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