第三十一話 ROLLGEN & BARTEL

ジェネカーファーラーについて書いてきたせいで、このところ、これらに関する質問をいくつか頂きました。それで、以前から取り扱いしてきましたROLLGENと今度のBATELの違いについて、書いておこうと思います。

ジェネカーのファーリング方式は2種類あります。
まずひとつは、ジェネカーセールのラフに巻き取る芯を縫い込んで、それを軸に巻くタイプ。ラフはストレートになり、浅めのドラフトセールになります。

もうひとつの方式は、巻き取りの芯をセールに縫い込む事無く、その芯をハリヤードで上げて、セールのピークとタックのみがシステムに固定されているタイプです。この場合、セール形状はどんな形状でも良く、深いドラフトでも構いません。従って、セールの性能としては、ジェネカーの性能本来のままでセーリングができます。

ROLLGENもBARTELも両方の機能を設置する事ができます。ただ、ROLLGENはセールエリア
100uまでが最小サイズですので、これですと多分35フィートぐらいのヨットでも使えると思います。一方、BARTELSのは、その下、70u、50uのシステムがあります。

さて、ここで考えるべきことですが、例えば、大型サイズでしたら、恐らくシングルで乗る事は無いでしょう。多分、少なくとも、2,3人はおられる。クルーがおられるなら、ジェネカーをファーリングにしなくても、スナッファーでも良いかもしれません。でも、それでも、ファーリングにしたいという場合、
ラフに巻き取りの芯を縫い込まないで、巻き取り芯は別にして巻き取る方が性能的には良いし、クルーも居れば、操作上も問題は無いかと思います。

しかし、小型艇になりますと、シングルハンドというケーズも考えられます。この場合、巻き取り芯をラフに縫い込んで、テンションをかけて置く事によって、セールは安定し、シングルでも、操作はしやすくなる。多少の性能は劣るかもしれませんが、それでも、シングルでの使いやすさを優先した方が良いのではないかと思います。

それで、小型艇なら、BARTELの小型仕様をお薦めしますし、大型艇なら、ROLLGENのセーリング性能を重視したシステムをおすすめします。要は、セールエリアとクルーが居るか居ないかの違いです。もちろん、これに限った事ではありません。 ラフにハリヤードでテンションをかけて置くタイプは、ラフが安定しているだけに、扱いやすい。その代わり、下りの角度を少し犠牲にします。
もうひとつのラフがフリーなタイプは、不安定になりやすいが、より下りの角度を稼げます。ですから、この場合、クルーが居た方がやり易い。

つまり、操作がやり易いというのは、シングルなら、セールを扱い易くして、性能を少し犠牲にするか、或いは、性能を優先して、クルーが居る事で操作がし易いかという違いです。

これまでしつこいぐらいジェネカーについて書いてきましたが、また、勉強しておきますので、何か新しい発見が有りましたら、書きたいと思います。兎に角、ジェネカーセーリングがもっと流行るようになればと思っています。

ところで、巻き取る時にも多少のコツがあります。そのコツも、いろんな風向でどうなるかを試してみたいと思います。それと巻き取る時のシートのテンションのかけかた、風の強さ等々ですね。
例えば、真後ろからの風の時、中途半端にシートを引いておきますと、セールはぶかぶかに巻かれます。ある程度風があるなら、アビームあたりが良いかな? 風が無いなら、シートを引いてテンションをかけながらとか。兎に角、セールがきれいに流れていると言いますか、ラフからリーチに至るまで真っ直ぐたなびいているといいかと思います。

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