第八十四話 ライフ
| 毎日仕事して、家族と過ごす。それは誰もが持つ人生です。その人生をもっと充実させたいと思うから、日常以外の事もしたいと考えます。だから、趣味を持ったり、旅行したり、映画を見たり、いろいろです。充実させるには、そういういろんなライフをたくさん持つ事ではないかと思います。 だから、ヨットをやります。カメラが好きな人も居ます。旅行したりします。車好きも居れば、ゴルフ、水泳、野球、絵画、陶芸、ダンス、いろいろです。それぞれにライフが形成されます。たくさんのライフが、充実感をもたらしてくれると思います。 或いは、いろんなライフを造る方法は、何も、たくさんの種類をする。たくさんの趣味を持つ事には限らないと思います。別な方法もある。それは、ひとつの趣味であっても、その中にいろんなバリエーションを持つ事ではないかと思います。 セーリングを集中してやる。宴会をする。どこかにクルージングに行く。コクピットで読書する。昼寝をする。泊まる。料理をする。ぶらぶらセーリングをする。デートセーリングをする。レースに出る。掃除する。メインテナンスをする。学ぶ。マリーナで仲間とおしゃべり。音楽を聴く。ＤＶＤを見る。 おいしいコーヒーをいれる。海水浴をする。もっとあるでしょう。それぞれがライフです。たくさんのライフを形成します。 これらを、その時と気分に応じて、その時の行為を楽しむ事。マリーナに行ったら、風が強すぎて、出さないと決めたら、残念がっても仕方ないので、その時は違う事して、それは仕方無いからそうしたのでしょうが、どうせやるなら、それを楽しむ事を考える。何が何でもとなりますと、気持ちは一点に絞られ、他の事をやっても、楽しめない。悔しさだけが残ります。それではライフは形成できません。その時はその時です。じゃあ、飛び切りうまいコーヒーでも入れて、好きな本を読むとか、音楽を聴くとか、そういう風に切り替えた方が良い。それならそこにひとつのライフが形成できる。 そこで重要なのが、気軽さではないかと思います。適当にやるでは無く、気を楽にして、その今の行為を楽しむ事ではないかと思います。 計画を立てて、ああしよう、こうしようと思います。それがその通りに行かない事もあります。むしろ、その方が多いと思います。そこに気軽さがあれば、臨機応変に楽しむ事ができる。ヨットですから、セーリングと言ってきました。これには変わりはありません。ヨットはセーリングするのが最も面白い。しかし、できない時は、切り替える。気軽さをもって切り替えます。それで、たくさんのライフを持つ事ができる。 ひょっとしたら、今度、もっとうまいコーヒーをいれてみようか、と思うかもしれません。それは面白くなりますね。何にせよ、工夫しようかと思う時、面白さを得ると思います。これでコーヒーライフが充実してきます。ヨットライフがあって、コーヒーライフが増えて、自分の人生にプラスふたつ。 さらに、艤装を点検したり、クリーニングしたりしますと、ちょっと、今度はこういう風にしてみようか、と思ったら、もう一つライフが増える。今度、彼女を誘ってみようでも、ライフが増える。気をそこに置きますと、次々に新しい事が創造されます。気を、今している事以外に置きますと、ライフは形成されない。楽しんでいません。 大きな事をするだけがライフじゃないと思います。日々、している事に気持ちを置く。そうしますと、そのライフが充実し、そういうライフをたくさん持つと、人生も充実するのではないでしょうか？たかがヨットですから、何もそんなに深刻になる必要は無い。気軽に、気楽に、でも、気はそこに。 |