第五十一話 スパータイト

デッキを貫通してマストを立てる場合、デッキ貫通のマストホールがありますが、そこに通常は楔を入れます。その楔の代わりになるのが、このスパータイトで、実は、今回初めて使いました。

  デッキのマストホールにマストを入れた所
  の写真です。マスト周りに隙間があります。

  このマスト周りの隙間を、粘土(商品に含む)
  で、キャビン内から埋めていきます。それで
  後から注ぎ込む液状の物が内部に漏れない
  ように、完全に隙間を埋めます。








  マストカラーの周囲にマスキングテープで
  防波堤を造り、スパータイトを流し込みます。
  これは紺色の液体で、硬化剤と混ぜて、
  注ぎ込みますと、徐々に固まってきます。
  表面は30分もすれば、固まってきますが、
  完全に硬化する時間は、3日間と指示されて
  おります。

  それこそ、カチンカチンになって、マストを
  支えますので、マストメーカー推奨です。
  液体ですから、マスト形状にピッタリくる
  わけです。  



実は、正直申しまして、このスパータイトなる物を以前に使った事がありませんでした。これは、マストを全周の面で支えますし、また、雨水がマスト周りから漏れないという特徴があります。楔ですと、入れ方が人によって違うかもしれません。しかし、スパータイトを使えば、誰がやっても、同じように全周の面で全体を支える事ができます。

レーキを決めて、マスト位置をだし、それでスパータイトを注ぎ込みますと、硬化するまで三日間は手を付けられません。それが、先日のアレリオン33Sの納艇が1回で済まなかった理由です。

それで、先日、出直しまして、ステイ類を張り、セールをセットして、やっと納艇する事ができました。私の知識不足で、オーナーにはご迷惑をおかけしました。

  常に勉強していかないといけませんね〜
  新しい物が次々と開発されていきます。

  このスパータイト、一応、一旦マストを抜いて
  もまた使えるとの事ですが、でも、実際は、
  クレーンで吊って、再び入れるのは難しいよ
  うで、その都度、新しいスパータイトに入れ替
  える事になるようです。でも、高い物では無
  いし、しょっちゅうマスト抜くわけでも無い。
  カーボンマストには特にお勧めだそうです。

  それにスパータイトで固めた後で、レーキを
  変えたりはできないようで、最初にちゃんと
  位置だしをしておかなければなりません。

これからも、いろんな商品が開発されてくるでしょうから、常に学んでおかなければなりません。今回は、いろんな方々に助けて頂きました。感謝。  

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