第八十八話 全てはゲーム

旅をしようが、セーリングしようが、全てはゲームをしているに過ぎない。全てはそこに尽きる。要はどんなゲームをするかという話になります。真剣に考えますが、深刻には考えません。

たくさんの動かないヨットがあり、それはそういうゲームをしている。それを意図していようが、していまいが、暇が無いからというゲームをしているに過ぎない。乗るのも乗らないのも、そういうゲームです。

人は生まれて、死ぬまで、何らかの意図にそってゲームをしています。何故ゲームと言えるのかと言いますと、どうせみんな死んでしまうからです。それはリアルなゲームオーバーです。80年の人生にはいろんな事があります。何かを築いても良いですが、結局は手放す事になります。面白かったかどうか?そう思えば、ゲームとして考えた方が、より充実させる事ができるのではないでしょうか?

暇も無く、どんどん仕事して儲かって、リッチになるというゲームをしても良いし、適当にやって遊びまくるゲームをしても良いし、でも、最後はゲームオーバー。これは誰も避ける事のできない事実です。この厳然たる事実を踏まえて、人生を通してどんなゲームをするか?何をしても良いのでしょうが、何をしているかを意識しておくことは、どんな人生にするのか、したいのかということになるんでしょうね。所詮はゲームオーバーになることを知れば、味わいこそが最も重要なのではないかと思います。

その人生の一部としてヨットを採用します。ヨットがどんなドラマを見せてくれるのか? そう見ると、
ヨットと自分の関係をどうしたいのか、という事になります。日々のああだ、こうだというのもありますが、全体的にどうしたいのか?

ヨットを所有するだけで良いのか?ほったらかしで良いのか?セーリングを自由自在に操作して、セーリング感を味わいたい。クルージングで旅の味わいを得たい。どうするかは自分次第ということになりますね。

ヨットの動きを見ますと、オーナーによって極端になってきています。しょっちゅう動いているヨットがあるかと思うと、全く動かないヨットもあります。極端です。それぞれが、自分の好きなゲーム、意識しようがしまいが、そういうゲームをされています。ヨットがどうこう、環境がどうこう、いろいろ事情はありますが、今の状態は自分で意図したゲーム、意識していようがいまいが、自分が望んでしているゲームです。

意図さえすれば、その方向に進みます。たとえゆっくりでも。意識された明確な意図で物事が動き出す。ヨットの舵と同じですね。針路が定まらないなら、どこへ走って良いか解りませんから。何をしようが自由です。でも、自分の意図を意識していることは、ゲームを楽しむ為に必要ではないかと思います。ゲームオーバーを避ける事は誰にもできないのですから。ヨットで大事な事は舵取りですね。是非、良いセーリングを、良い旅を味わって頂きたいと思います。

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