第八十四話 最近の流行

巷ではツウィッターなるインターネット上のつぶやきが流行っているらしい。でも、今いち、面白さが解りません。それにアメリカではアップルのi Padが売れているらしい。それによると、インターネット上で書籍が買えて、読めるらしい。もう本屋に行かないでいいのか?新聞も雑誌も全てはデジタルの世界。パソコンの世界。

ますます便利は良いけれど、手触り感が無い。本屋で暇つぶしする事も無い。直接相手に話す必要も無い。相手が誰かさえも解らない。今までには無いコミュニケーション、今までには無いネットワーク。仮想社会がどんどん大きくなっていきます。便利なのは良いけれど・・・・・・

インターネットのおかげで、手紙も送れるし、写真も瞬時に送れる。テレビ電話が進めば、相手の顔を見ながら話もできる。ある人は、営業の仕事。昔の飛び込みなんかはせずに、メールで売り込みを行う。その中から反応があった相手にアポイントを取って、でかけるらしい。そのうち、出かけて、直接会う事も無くなるかもしれませんね。

我々のコミュニケーションはネットの世界。ある子供、学校に行かずにインターネットで通信教育を受けてます。もちろん、親と一緒に世界のクルージング中。

何事も良い面と悪い面の両方を持ちますから、これらが良いかどうか?両面ある事は確かです。でも、ひとつ言える事は、社会はどんどんバーチャル化の度合いが進んでいる。

しかし、良くみると、昔からある物の進化系に過ぎない?手紙は昔からあった。本もあった。携帯としての電話は無かったが、電話そのものはあった。つまりは、昔からある物が、姿を変えて再登場という事ではあります。有り様の変化ですね。でも、その影響は大きい。

そう言えば、つい先日、ナショナルジオグラフィックでフェラーリの工場内部を見る事ができました。45分間にも及ぶ長いビデオ。エンジンの鋳造から、組み立て、塗装、完成まで詳しくリポートされていました。アメリカのバイク、ハーレーダビッドソンの工場ビデオもありました。インターネット社会は、イタリアへもアメリカへも瞬時に行ける。便利なものです。

フェラーリもハーレーも、製作者は誇りを口にし、こだわりを語る。なる程、仮想社会が進めば進む程に、物に対するこだわりも強くなるのかもしれません。本物を見る感触、美しさの現実、肌触り、実際に聞くエンジン音、これらは、インターネットで運ぶ事はできない。まして、実際に走る感触は、本物でなければ知ったふりをするしか無い。仮想はあくまで仮想、知ったつもりという事になる。仮想で充分という事もあるだろうし、そうで無いものもある。

そうすると、ますます自然の中に居るとか、実際にヨットに触り、走るとか、そういう現実の感触は、ますますこだわりをもって取り扱われるようになるのではなかろうか?物に対するこだわりもありますが、それより以上に、感覚の重視という事にならないだろうか?誇りや本物の手触り感や、何々感という、実際に経験した感覚がますます重視されるように、一方ではなるのでは?

我々は、ロンドンでもパリでも、ニューヨークでも、アフリカでも瞬時に行く事ができます。世界遺産もいつでも見れる。そのうちコンピューターがもっと正確に言葉を通訳してくれるようになると、世界の誰とでもコミュニケーションがとれる。でも、実際に行った感じ、実際に会って話した感じは違うでしょう。その事がもっと重要になるのではなかろうか?

という事は、メールをもらうより、手書きで葉書一枚もらったら、どんな感じなのでしょう。あるひとつの事が進むと、同時に裏側には、その反対の事が進行する。機械が進めば、手作りが、便利になれば、マニュアルが、何故か惹かれるようになる。それで、きっとバランスが取れるようになるのかもしれません。そうでないと、一方向だけに進むと、何かが破壊されていくのかもしれません。

我々も、仮想と現実をうまくバランスしないといけないのかもしれません。何かが壊れるかもしれません。多分、感覚が壊れるかもしれません。その為にも、セーリングして、感覚を本物の自然の中で育てるというのは、とっても良い事かもしれません。何しろ、我々が生きているのは現実なんですから。では、セーリングで感覚を磨きましょう。と、最後はこうなります。

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