第六十八話 セーバースピリット

セーバースピリットというヨットはデイセーラーというジャンルです。しかし、ちょっと違う部分があります。アメリカでデイセーラー人気が高まり、それを脇で見ながら、後で投入されたヨットです。
ハイパフォーマンスのデイセーリングが主たるテーマではあるのですが、厳密に言うと、ちょっと違います。

実は、クルージング艇とデイセーラーのハーフみたいなもんです。一応デイセーラーコンセプトではあるんですが。何が違うかと言いますと、キャビンがクルージング艇程ひろくは無いものの、デイセーラーほど狭くは無い。キャビン天井は1.8mを確保しています。デイセーラーはもうちょっと低いですね。

 

セールはセルフタッキングジブにメインセールという組み合わせはデイセーラーです。メインシートのコントロールは左右のウィンチで行いますが、ステアリングポジションから操作ができ、尚且つ、クルーが居るなら、そういうクルーのポジションも考慮されています。

それにダウンウィンドはジェネカーを使うという設定ですから、シングルというよりダブルハンド程度の想定になりますか。セールエリア対重量費は24.2となり、かなりのハイパフォーマンス艇です。
バラスト比は40%あり、マストはカーボン製ですから、重心はもっと低くなります。

つまり、このヨットは、近場のクルージングを楽しまれている方々に、ハイパフォーマンスセーリングを楽しんで頂きたい、また近場のクルージング程度なら楽しめますよという事になります。

シングルハンドで乗りますと、正直なところ、アレリオンのようにジブブームが無いので、ジェネカーの展開になります。そうしますと、それをどうシングルでこなすかが、テーマにもなりますので、シングルハンドの容易さという点では、アレリオンに軍配が上がる。でも、もし、クルーをひとり確保できるのなら、クルージングの方にも、このヨットのセーリングを是非味わっていただきたいと思います。

ちなみに、このセーバースピリットはライフラインが標準でついてきます。しかし、取り外し式になってまして、それはオーナー判断。つまり、デイセーリングなら、不要なのでしょうが、ちょっと遠いクルージングに行くなら、ライフラインを設置できます。外した時は、ステンレスの蓋がついてます。

アレリオンがデイセーリングとウィークエンドクルージングなら、これはデイセーリングと、もうちょっと範囲の広いクルージングというところでしょうか?まあ、殆どの方々の使い方はカバーしてしまいますね。でも、みんなで寝るスペースほどはありませんが、3、4人程度までなら。それ以上ならホテルに。

同じデイセーラーでも、よくよく見ますと、少しづつ違います。

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