第十四話 電動モーター

最近のエコ流行でしょうか、造船所ではディーゼルエンジンに代えて、電動モーターの設置が一部検討されてきています。既に、ハーバー20とかは電動モーターの実績があります。実は、アレリオンでもその動きが検討されています。アレリオン33PLUSという事で、電動モーターの設置が検討されているようです。

環境問題が重要なテーマになってきた昨今、今後、いろんな造船所から、こういう話が出てくるのではないかと思われますが、実は、もう10年くらい前になりますが、既存のヨットに電動モーターを設置して販売する所がありました。そこは、造船所では無く、電動モーターのメーカーだったんですが、そこともいろいろメールのやり取りをした経験があります。

性能的には、ディーゼルエンジンとあまり変わらないぐらいのスピード等出るようですし、走行距離もかなりあったような記憶があります。問題になったのは、充電をどうするかです。アメリカみたいに、どこのマリーナでも陸電で充電できれば良いのでしょうが、日本ではまだそうもいきません。それで、ウィンドジェネレーターという提案もありましたが、どうもしっくり行きませんでした。結局は、それっきりになってしまいましたが、要約、造船所でもそういう動きが出始めています。ただ、やはり、充電という問題が残ります。それに、もうひとつはメインテナンスですね。

ディーゼルエンジンの場合はエンジンメーカーは世界に広がっており、例えば、ヤンマーでしたら、アメリカで設置されたヤンマーエンジンは、日本で登録さえすれば、メーカー保証もされますが、これから出てくる電動モーターはそうはいかないでしょう。日本製のモーターが設置されれば良いんでしょうが?

そうは言っても、今後、ディーゼルに代わって、電動モーターが増えていく可能性はあると思います。すると、バッテリーの問題や充電の問題、これらをどう解決していくのかが重要になると思います。例えば、アレリオンに電動モーターが設置されたとして、これにウィンドジェネレーターなんかは、似合わない。

まあ、ヨットという乗り物は、確かにディーゼルエンジンを搭載しておりますが、でも、かなりエコであります。主機はセールでありますから、セールで走る限り、かなりエコであります。トヨタのプリウスよりエコであります。それなら政府で推進して頂きたいものです。みんな、エコなヨットで遊びましょうと。燃料だって、使い方によっては、一旦タンクを満タンにしますと、数ヶ月、半年、それ以上持つ。持つと言いますか、使わない。そんな乗り物、他にはありません。

もし、これが電動モーターなんかになりますと、全く使わなくなります。そのうち、バッテリーもすごいのが開発されていくでしょうから、例え充電の問題があったとしても、たまにすれば良いという程度になるかもしれません。或いは、超小型バッテリーですごいのが開発されれば、簡単に家に持って帰って、自宅で簡単に充電できるとか?現時点では、いろいろ考えられる事もありますが、流れとしては、車がそうであるように、車関係からいろんな物が開発され、それらが、ヨットにも流れてくる可能性は充分にあると思います。そうしましたら、いつか、電動モーターになって、エンジン音も無く、いつも静かになりますね。それも悪く無いですね。

その他、エンジンを使わない時は、船体にシャフトやプロペラが収納されるようにならないものでしょうか?そうしたら、網に引っ掛けたり、ゴミやロープが引っかかったりのトラブルが無くなるし、そういうトラブルがあったとしても、収納して、船内からゴミを取り除けるようになるかも?

今のディーゼルエンジンに文句はありませんが、このペラに絡まるゴミなんかは、今後、何とかできないかと思います。電動モーターより、この方が気になります。プロペラシャフトにカッターのような物を設置して、絡まるロープを切るというのもありますが、これもどうも今一の感じです。今後に期待しましょう。

バッテリーというのは、電動モーターに拘わらず、様々な部分で電気が使われる時代ですから、今後の開発が最も期待される分野のひとつかと思います。確か、上記しました電動モーターのメーカーでは、バッテリーを6個とか、たくさん設置していたようです。それがバラストにもなるとの話でしたが、これではどうも。

GPS、計器、電動ウィンチ等々が増える昨今ですから、これらを充分にまかなえる、しかも超小型バッテリーさえできれば、どんなに良いか。乾電池感覚で、スペアーを置いておく事ができると、もっと良い。そうなる可能性も無きにしもあらず。

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