第47話 潜在的ヨット人口

ヨット人口はなかなか増えません。この長い不況でやめていく人もすくなくありません。
しかし、悲観はしていないのです。何故なら、未だヨットに乗った事が無いが、乗ってみ
たいという人はかなりの数に上るのではと思うからです。ただ、彼らにチャンスが無い
だけなのです。きっかけがほしいのです。業界の内側に居る私や、既にヨットに乗って
いる人々が想像する以上に、彼らはどうしたら良いのかが解らないし、一声かけるのも
ためらってしまうのです。

海外のマリーナに行きますと、チャーターボートはあるし、簡単にその場で借りる事が
できます。自分達だけで乗れないなら操船者付きで乗せてもらうことができる。いとも
簡単に味わうチャンスを見つける事ができる。

数多くの潜在的ヨットマンにいかにチャンスを与えるか?これが課題のようです。本日
やはりそういう方のお一人をクルージングに誘いました。約2〜3時間程度だったでしょ
うか。彼は前々から乗りたくてマリーナを訪れては、眺めておられたようです。そして
今日はそのチャンスがきたわけです。確か67か68歳とお聞きしたと思います。わずか
な時間ではありましたが、大変喜ばれ、家に帰ってからもお礼の電話を頂くは、奥様か
らもお礼を言われるは、嬉しい一日でした。

こういうチャンスが当たり前のように転がっているなら、潜在的ヨットマンは表に現れ、ヨ
ット界は繁栄するのです。オーナーの方々は是非、そういうチャンスを与えていただきた
いと思いますね。年に1回でもいいです。皆が1回載せれば、何万人の方々が乗るチャ
ンスを得る事になります。ボート、ヨット合わせて40万艇として、80対20の法則に従う
と、そのうち8万艇がヨットだとします。そしてこの8万艇のうち、16,000艇が活動的
なヨットだとして、そのうちの2割、3,200艇が年に1回、誰かを乗せる。そうすると、
3,200人の人が経験し、そのうちの2割がもしヨットを自分で始めたら、640艇のヨット
が増えるのです。これだけでも凄い数ではないですか。何とも御気楽な計算で申し訳
無いですが。それでも皆さん、年に1回誰かを乗せてあげましょう。チャンスを与えまし
ょう。ヨットが増えれば、マリーナが増え、マリーナが増えれば競争が出来て安くなる。
設備も良くなる。そしたら、もっともっと増えます。安くなれば、若者もヨットが持てる。
若者が増えれば活気を呈してくる。活気ある所には人々が集まる。人々が集まるところ
は楽しいのです。若者から年よりまで、皆が一緒に楽しめる。こんな良い国ないですよ。
ヨットひとつでこんなに国全体が良くなるなんて素晴らしいではないですか。

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