第10話 GH26 


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写真左はFRP製、そして右側は同じモデルの木造、両方のモデルを建造しています。右側の写真が柱
の影になって申し訳無いです。でも、26フィートでもこの侮れない美しさ。基本的なプランがあって、希望
があれば、セミカスタムでもできます。ここまで来るとアートですね。それもそのはず、世界的に有名な
ヒンクリーの流れを汲む造船所なのです。ウッドボートの方はオーナーの希望でカーボンマストにしたそう
です。つまり、この造船所は船体形状は同じですが、後は何でもできる。何でもできるというのはかなり
の技術レベルが無いとできません。一艇、一艇、手作りなのです。

アメリカではこういう小型のクラシック艇に高い人気があります。確かに、このサイズにしては高い、でも
この美しさはオーナーの誇りであり、ちょっと大きなサイズが買える価格ですが、普通の大型サイズと小
型の美しさを天秤にかけた時、どちらを取るかですね。小型ですから、キャビンも狭い、犠牲になる所は
あります。しかし、ウィークエンドのデイセーリングがコンセプトですから、ロングクルージングはしない、
近場を気軽に走りたい、そういう方向きです。

こういう造船所が支えられるアメリカ、うらやましいです。サイズで価格評価をするか、品質で価格評価を
するか、日本でもこういうヨットが受け入れられる日がいつかは来るでしょう。ヨットは所詮遊びもの、遊び
だからお金をかけたく無いという向きもある。しかし、遊びだからこそ、理屈では無く、感性に合ったヨット
選びというのもあって良いと思いますね。予算がある方は、それに見合った高い品質のヨットを買うべきで
す。使命と言っても良い。そして、これが中古になると、高品質のヨットが他の方々も買える金額になる。
まあ、言ってみれば、社会貢献のようなものです。そうする事によって、日本のヨット文化は深いものにな
っていく。皆が皆、安いヨットしか買わなかったら、誰も良いヨットがどんなものであるかは解らない。だから
余裕がある方は文化をリードしていく義務がある。自分の為だけでは無く、皆の為に。

私も宝くじでも当れば、乗ってみたいヨットのひとつです。乗りたいヨットが一杯ありますね。

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