第五十四話 冬のセーリング

埼玉と名古屋から、ハーバー25とアレリオン28に乗りに来られました。あいにくの雨で、寒いし、冷たい雨だし、せっかく来られたのですが、冬のセーリングを堪能?して頂きました?
寒いのはまだ良いのですが、冷たい雨はちょっとね〜、という感じ。でも、まあ、これもセーリングですね。

北にお住まいの方々にとって、冬はもっと厳しいと思いますが、九州では冬でもできます。雨さえ降らなければ、お天気さえ良ければ、結構乗れます。この時も他に2,3艇は出てました。好きな人居ますね。夏を知り、冬を経験すれば、どんなにか、春と秋が良いかが良く解る。

そうまでして乗るか?こういうセーリングは大抵は大型艇では無く、30フィート前後から小型艇かもしれない。よくよく見ると、たくさんのヨットがある中、頻繁に出る艇は決まっている。特にシングルハンドができる人の方が良く出ているように思えます。何しろ、冬にヨットに乗りたい人は一般的には多くは無い。

シングルで出る人はセーリング好きなのでしょう。冬のセーリングは大勢でワイワイガヤガヤという感じでは無い。無言になる事も多い。寒いし。それでも乗るのはそういう感じ。イメージが違いますね。冬のセーリングは冷たい空気、ピリッと身が引き締まる。少し緊張感も味わえる。そういう中で、きちんと着込んで乗れば、それなりに違う気持ちでセーリングができる。でも、冬の雨はご勘弁。

冬でもセーリングができると、年中セーリングを楽しめる。春夏秋冬のセーリングをそれぞれの季節で、それぞれの気分で乗れる。みんな違うフィーリングになります。寒いのは嫌ですが、でも、考えてみますと、四季のあるセーリングを楽しめるというのは良い。年中同じであったかいというのも良いような気もしますが、でも、よくよく考えてみますと、四季という変化は有難い事なのかもしれません。年間を通して、四季という大きな変化があり、その各季節の中にも変化があり、いろんな変化が自然に与えられているというのは、案外面白い事です。

日本は自然の変化が明確です。それに時化る日もあって、雨も多い。昔、あるヨーロッパのチャーターヨットの会社が市場調査に来ていましたが、日本はチャータービジネスには向かないという結果を持って帰っていきました。いろいろな理由もあると思いますが、雨、時化や、季節等、そういう理由も大きいようです。つまり、チャータービジネスは稼動できない日が多いとビジネスにならない。稼動できる日というのは、天気が良い事、時化無いで穏やかである事、そういう事からしますと、日本はその反対にある。そういう稼働日が少ない事になる。

ところが、見方を変えますと、変化に富んでいます。その変化をどう見るか?そこに面白さを見ないと、そうは乗れない。その変化を楽しむのは、どちらかというと、ワイワイやるのとは違う。もちろん、ワイワイもOK、でもそれだけだと乗れない日が日本は多いという事になる。やっぱり、セーリングを、変化をいかに楽しむかがポイントになる。その変化を、四季の変化を、自然の変化を、いかに楽しめるか?そこはセーリングしか無いのではないでしょうか?

セーリングを軸において、バリエーション的にワイワイやる。それが最も日本でヨットを遊べるスタイルなのではないかという気がします。もちろん、個人の勝手で良いのですが。冬にセーリングできるなら、それを楽しめるなら、年間を通して遊ぶ事ができますね。暑い夏ばかりがヨットシーズンでは無い。逆に考えると、夏の方がオフシーズンといえるかもしれない。全ては考えよう、何を楽しむかによることになろうかと思います。

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