第八十一話 高齢化社会

麻生元総理が高齢者は働くしか能が無いと言って、またまた物議をかもし出しました。でも、これは言いすぎにしても、確かに、高齢者の過去の環境からして、高度経済成長を実現してきた方々にとって、働く事が重要な時代でした。急に遊べと言われて無理である事には違いない。

でも、日本人というのはある目標が設定されれば、そこに向かって進む能力はかなり高いわけで、
目標を失うと、何をして良いか解らない。そこで、仕事とか遊びとか、そんな区別をしないで、興味ある事に、それが仕事だろうが、遊びだろうが、何か興味が持てたものに対して、それを実行していくと考えたらどうでしょうか?

高齢者の割合は非常に大きいわけで、彼らが、今度どう生きるのかは、今の若い人達にとっても、我々にとっても、参考になる。できれば、高齢者に楽しんでもらいたいわけです。高齢者が不幸なら、我々がそこにいずれに行くわけですから。

昔は一家に3世代なんかが一緒に住んでいたわけで、それがいつの間にか核家族化が普通になり、高齢者は全財産を自分で持ってるわけです。それゃあそうでしょう、自分の老後は自分で守るしか無いという事になってきたわけですから。でも、核家族化は息子や娘をあてにできないという社会を作ってきた。家を出れば自分で家建ててという事になりますから、長いローンを組んでという事になります。老人がお金もちになるのは当然の帰結。

現代の不況は、もっと国内需要を高めなければと言われますが、お金持ってる高齢者が動かないではどうにもなりません。それで、老人介護だ、医療だ、旅行だと老人に対するサービスが考えられる。でもまだまだたいした事は無い。もし、全財産の10%でも使えば、一機に景気は良くなるだろうと思いますが、そうはならない。多分、根本的な解決は、昔のように、三世代同居にあるのかもしれません。

若い夫婦は同居ですから、新たに家を建てる必要が無い。そこでヨットなんかを買うわけで、家族で遊ぶ事ができるようになる。おじいさんも乗せてあげますね。ひょっとしたら、このおじいさんが暇ですからセーリングに目覚めていくかもしれません。おじいさんは自分で老後を守らなくても、家族が守ってくれますから、安心して遊ぶ事ができます。そうでもならないと、結局は遺産相続で、税金を払って、その遺産も相続した人は自分の老後を守る為に残さなければなりません。お金を持つのはいつも老人だけになってしまうかもしれません。経済はお金がスムースに流れなければならない。という事はいつも経済は不況になってしまう。世の中にお金が無いわけじゃない。それどころか、たくさんあるわけで、それが滞留してしまう事に問題がある。政治の役目は社会がスムースに、このお金が流れるようにする事かもしれません。

今更、同居なんでできないかもしれません。でも、同居家族には、遺産相続の税金が安いとかいう方法もあるかもしれません。まあ、いろいろ問題はあるでしょうが。でも、そういう風潮が出てきたら、子育ても容易になるし、子供預けて、若夫婦がセーリングに行ける。老夫婦にだってセーリングを味合わせてあげれる。元気な老人が何かを始めるにしやすい環境も必要ですね。

老人になってヨットを始める?これは簡単な事ではありません。しかし、デイセーリングあたりなら、何とかなりそうな気もしますが。

社会が豊かに発展しますと、フプライバシーを重んじるようになり、当然の帰結として核家族化になり、そういう時に同時に、社会が国民を守る方向では無く、自己責任の方に行ったので、自分を自分で守るのが当然になり、その弊害もでてきた。でも、20年も経てば、今度は人口の少なさが問題になる。まあ、難しい問題です。ヨットは若い人から高齢者まで遊ぶ事ができるものです。父から息子や娘に譲っていけるものであります。高齢者がヨットで遊んで、それは次の世代に譲られる。人口が減ってきたとしても、十分に対応できる。ですから、高齢者が多くなり、彼らがヨット遊びをして、その後は次に譲られ、たとえ人口が減ったとしても、十分に受け入れるキャパシティーはあるのですから、心配は無いわけです。若い人は譲られたヨットを乗るし、買い替えもする。

まあ、老人と若者という分け方ばかりでは無く、動けるひとは仕事だろうが、遊びだろうが、どんどん動く。動けば何かが発生します。仕事は社会に貢献します。仕事しないでも食っていける人は遊べば社会に貢献します。動けない人でも、医療や介護という意味では社会貢献しています。需要を造っています。動けるのに、何もしない人は貢献していない。これはいけません。という風潮が出てきたらどうなんでしょう?ヨットで遊べる人、世間は社会貢献しているな〜と見る?

日本に比べると、欧米の方がファミリーセーリングというのがあります。それで、子供時代にもセーリングの体験をするわけで、彼らが大人になると、セーリングを特別視する事は無い。それで、父親かやヨットを相続したりします。そして、この家族にもまた受け継がれる。日本にはファミリーセーリングというのが殆どありません。そこが大きな問題かもしれません。という事は、ファミリーセーリングの推進というのは、ヨット普及には良い効果をもたらすのかもしれません。

ここにも、ファミリーの為には、デイセーリングが良いと申し上げます。セーリングはそもそも父親が始めた事。父親は自分が好きで始めたわけですから良いのですが、家族はそうでは無いかもしれません。そうなら、もっと気軽な部分で、デイセーリングあたりで、そのセーリングの醍醐味を味あわせてあげる。マリーナから出て、酒飲んで、食って、そればかりでは少なくとも息子にとっては、たいして面白いもんじゃない。それより、セーリングの醍醐味であると思います。

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