第六十四話 ビッグサイズのデイセーラー

舵社さんに、何度もデイセーラーの記事を取り上げて頂きました。そのお陰もあって、最近では、日本でも少しづつですが、デイセーラーが認められてきました。実に有難い事であります。日本人のヨットの楽しみ方に、もうひとつバリエーションが加わった事は、選択の幅が広がった事になりますから、良い事でしょう。

そして、アメリカあたりでは、さらに進んでいきます。最近の発表では、超高級デイセーラーのフレンドシップが、75フィートを発表しています。モーリス社のM52も進水、アレリオンは45、ブレンタのB60、ここまで行くか?という感じもしないではありません。

   Freiendship40から始まったデイセーラー
  コンセプトヨット。もちろん、全部ボタン操作。
  それが75フィートというサイズになる。
  もはやデイセーラーとは呼ばないでしょうが
  基本コンセプトは同じ。






  モーリス社のM52
  これもそうですね。デイセーリングのイメージ
  ではありません。でも、デイセーラーの基本
  性能は踏襲しています。









これでもデイセーラー?もちろん、デイセーラーでセーリングを楽しむ、そういう性能を持つコンセプトではあるのでしょうが。日本には、ここまでは?という感じもしますが、でも、選択のバリエーションが増えた事は歓迎であります。

デイセーラーという言葉が、日帰り的な印象を受けますが、基本的には、イージーハンドリングによる高い帆走性能を楽しむところにあり、大きなサイズは電動とか油圧を駆使して、ボタン操作という装備が定着しています。

フレンドシップ75なんて、とんでもない金額になりそうですが、でも、狙いはメガヨットオーナー達にあるようです。彼らが、もっと気軽にセーリングしたい、少人数で、そういう要望を満たすところに狙いがあるようです。そういう意味ではメガヨットに比べれば価格的には安いし、簡単操作だし、ショートハンドで行ける。自分達夫婦と友達夫婦、2カップル程度を考慮して、その分のアコモデーションがある。スーパーヨットオーナー達でさえ、満足させられる品質の自信があるようです。

世界の不況の現われか?メガヨットから、サイズダウンしよう。そういう意味?不況もレベルが違いますね。そういう意味では、これらは我々にとって超高級艇で、ものすごく高価であります。しかし、欧米にはもっとすごいスーパーヨットがたくさんあって、彼らが、不況に影響を受けて、サイズダウンするとしたら?なる程、こういう造船所が元気なわけです。この不況で影響を受けているのは、量産艇とメガヨットかもしれませんね?不況になれば、上が降りてくる。景気が良くなれば、下から上がってくる。そういう事になるのかもしれません。量産艇にしても、不況時には上から降りてくる。しかし、数が違いますからね。

日本はこうはいきませんね、まだまだ、量産艇が主流で、上はほとんど居ない。否、おられるのですが、まだまだそういう艇が売れてきていません。成熟するには、まだまだ時間が必要なのでしょう。日本のヨット文化も、欧米に追いつけ、追い越せ?いやいや、我々流を見つけましょう。

次へ       目次へ