第五十七話 中古の見方

中古を探してある方は多いと思います。そしてそのヨットにはいろんな物がついてます。それらも全部同じ年数使われてきたものである事が多い。船体は長持ちです。エンジンも長持ちです。でも、その他の装備については、途中で交換された物で無い限り、そっちの方が寿命が短い。

例えば、計器類。GPS、風向風速、スピード、デプス等々。GPSはもう古くて最新のに変えた方が良いというケースは多い。その他の計器も動いていたとしても、いつ壊れるか?まあ、年数にもよりますが。トイレも、パッキン等が傷んだり、セールも同様です。つまり、古いヨットで、オリジナルのままの装備の場合、それらの交換が今では無いにしろ、近々のうちに交換という事態になる事は予想できます。ですから、逆に、何年に、何を交換されたかは重要な情報になります。

海外の中古艇を見ますと、それらのデータが記載されています。いつセールを交換したとか、何年に計器類とか、トイレとか、ポンプとか。日本ではそれらが曖昧なケースがあり、いつ何を交換されたかが不明瞭な事が多いのは残念です。これらはきちんと記録しておくのが良いと思います。また、20年もたつのに何も交換されていないという物もある。

中古を買うのは、船体を買う。他の装備が一切交換されていないのであれば、それらがいつ故障しても仕方ない。でも、重要なのは船体です。装備もメインテナンス次第。特に使われていない物は怪しい。装備は使われて、メインテナンスされてはじめて良い状態を保つ事ができる。使ってないから新品同様とはいかないわけです。

通常、車でも家電でも、10年ぐらいでしょうか?そう思えば、ヨットの装備はとっても長持ちです。でも、もし20年経っていて、最初からある物は、交換した方が良いかもしれませんね。ビルジポンプ、冷蔵庫のコンプレッサー、清水のポンプ、温水のタンク、トイレのポンプ、計器、それにセール。
エンジンはメインテナンス次第ですが、20年ぐらいどおって事は無い。船体もしかり。装備を交換してしまうとかなり費用がかかりますが、でも、これから20年また乗るとしたら、安心です。

できれば、20年経って、いろんな箇所を点検して、その機会にいろんな装備を交換してしまうという事を考えても良いかと思います。マンションだって、10年に1回ぐらい、大規模工事をして、塗装したりします。まして、ヨットは過酷な環境下にいつも居るわけですから、せめて、20年に1度ぐらいは、大規模な見直しをしてやった方が良いかと思います。年に1回ぐらいは上架して船底塗装をするのは常識ですが、それだけでは十分では無いと思います。考えてみれば、20年、30年、使える物はそうざらにはありません。それも海という環境の中で。考えてみれば、ヨットはすごい長持ちします。それだけに、いたわりを持って。

ヨットは50年、60年と持つでしょう。でも、機器類は20年もてば、御の字?では無いでしょうか?
エンジンも持ちます。ウィンチも持ちます。特に機器類は進化のスピードが早い。ですから、最新のを設置しますと、使い勝手が全然違いますね。特に、GPSはすごい進化ですし、価格も安くなりました。

ですから、中古を買うというのは船体を買う。機器類は交換されていなければ、換える必要があるかもしれません。そういう見方をされたらどうかと思います。中古には既にいろんな物がついてくる。だから良いという見方もありますが、それが動いていたとして、本当に古い物なら、交換時期がすぐ来るかもしれません。そういう見方も必要かと思います。途中で交換されているかどうかが重要です。それより、船体が良いかどうか?そこで、本当に良いヨットは、古くても何の歪も無いとか、そういうところに差がでてくる。

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