第七十二話 株価

今の不況は金融不況。実体経済がどうこうで不況になったわけでは無く、金融先行き不安による実体経済の破壊みたいなもんでしょう。それで、最も被害の少ない日本の円が買われたが、その日本は不安心理が強く、気がつけばもっと状態が良くない。どうも日本人は悲観論者が多いような。不安心理が強く働くのは、DNAから見てもそうらしい。さらに、最近までの景気良さ(一応発表はそうなってます)は輸出の締める範囲が非常に大きかった。それが、今海外市場が落ち込んでしまった。そこで、今は円高からドル高に変わってきて、100円に迫る。そのドルが良いのかと考えても、良くは無い。でも、世界に良いところが無ければ、やっぱり基軸通貨ドルに行くしかない。株を売り払って、ドルで持つ。

金融は実体経済に関係なく、思惑で動く。どんな手立てを尽くしても、心理が落ちであれば、どんな材料もマイナス要因、或いはたいした事無いと思ってしまう。でも、この心理が何かのきっかっけで一旦プラスと判断したら、株は一気に上昇に転じるのではなかろうか?実体経済は関係無い。心理的作用。心理だから、一気に行く可能性はある。心理は一気に落とし、一気に上がる、実態経済はもっと本当は緩やかでしょう。

でも、この幽霊のような金融市場が実体経済を動かし、政治は実体経済しか操作ができない。そこんところが、難しい。ある話によると、アメリカの市場、実体経済は底に来たという話があります。しかし、金融市場は実体と無関係に下がり続ける。心理市場が下げにある。ここに何らかの刺激が加われば、一気に下がった金融市場は一気に上がる可能性もある?

株価という概念を作り出してから、我々は二つの市場を持った事になる。そして、金融市場は実体経済をはるかにしのぐに至って、コントロールが効かなくなった。何しろ、金融は世界規模で、しかも瞬間的に動く。でも、実体経済とは全くの無関係という事でも無いだろう。きっかけは金融市場では無く、実体経済における何か?それがきっかけとなって、金融市場が上がりに転じたら、今度は心理で、どんどん上がる。コンピューターは一気にそれらを処理できるから。

これからの経済対策は心理作戦か?もし、マスコミがどんどん煽れば、その気になるのかもしれませんね。悪い経済状態は伏せて、良い所だけバンバン出す。景気は良くなったと出す。すると固まった心理は和らぐ。という事は市場は三つ。実体と金融と心理市場?経済評論も心理学を学ばなければならないのかも?

しかし、それでもベースは実体経済。その為にも、実体経済において、ガツンと一発景気刺激策を期待したいですね。みんなが驚くような。 政府発行紙幣という話がありますが、あれってどうなんでしょうか?それで、国民に12,000円程度では無く、10万とか20万とか、もっと配ってしまうと問題があるのでしょうか?内需拡大策をドカンと打ち出して、アメリカから輸入を促進して、アメリカが立ち直り、消費拡大に向かわせる?

消費拡大が必須であるなら、我々は永遠に発展する方向に向かうしかない。しかし、既に物はたくさんあります。買い替え市場か、或いは、全く新しい何か?その方角が問題で、これからは、農業、環境、エネルギー、そういう面が発展すべきのような。これからは、便利がスローガンではなくなるかも。便利だから売れる時代の終わり、これからは、心を豊かにする物、クリーン、面白い。便利だから買うのでは無く、我々の心が豊かになるのがポイントではなかろうか?これはヨットそのものではないですか。やっと良い結論に達しました。こじつけもいい加減にしろ、と言われかねませんが。

ヨットは便利だから買うわけではありません。面白そうだと思えるから買える。その面白そうだと思ったヨットを、いつもの癖で、便利にしていこうと思うと、そこから面白さが少しづつ逃げていく。便利になった分、便利で無いところに、面倒くささを感じてくる。便利を拒否するわではありませんが、面白さを軸に、その面白さをもっと味わえるようにする為に、便利を採用する。と思うのですが?

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