第七十三話 面白いからやる

それだけで動機は充分なのではないでしょうか?夢なんて、架空の経済みたいなもの。家族団欒を夢みたり、世界に出る事を夢みたり、そんな夢は幻にすぎない。と、こういう言いますと反発を食らいそうですが、こういう夢はちょっとした事で、幻と消え、場合によっては人をがっかりさせてしまう。そんな幻のような夢よりも、面白そうだからやる。それだけで充分だし、その方が現実味があるし、その方が、実際に実感が持てる。面白くてスタートして、最後には結果、家族団欒を楽しんだかもしれないし、世界一周したかもしれない。でも、そんな事はどうでも良い。最初から、そんな夢を持ってい無いだけの事です。

これまで散々ごたくを並べてきましたが、そんな事より、面白いからする。それだけです。うまくなって、知識増やして、なんて言いましたが、それも面白そうだと思った人だけがやれば良い。その先の特別の何か、うまくなったら特別の何かの結果を期待して、嫌々やっても意味が無い。特別な物は期待しないが、面白いからやる。結果、何かがあるかもしれない。無いかもしれない。どっちでも良い。何しろ、面白いからやっだだけです。実に気楽な話であります。

興味がある事、面白そうな事、それをやりましょう。結果はどうでも良いから、やりましょう。何かになろうとはせずに、うまくなろうとは思わずに、面白いから学び、面白いからセーリングに出る。結果は、どうしてもうまくなってしまいますね。なりたくも無いのに。でもなってしまう。でも、それが目的じゃない。ただ、面白いから。面白さを味わったという事が大切なのではないかと思います。

私個人的にはデイセーリングが最も面白いと思っていますから、そういう事を他人にも薦めます。でも、みんながそう思うわけではありませんので、面白いと思った人だけにはそうしてほしいと思います。

二度もバブル崩壊を見ますと、バブルはまさしく夢のようだという気がします。株価があがるのを夢見、それやぁ良い事もあるでしょう。でも、簡単に崩れる事もある。夢のある宝くじを買うぐらいなら、今夜、誰かとご馳走でも食べに行った方が良い。誰かとデートセーリングした方が良い。宝くじならはずれてもがっかりはしませんが。でも、やっぱり買ってしまう。ここには大した影響は無いから、まあ良いでしょう。

という事で、ヨットをやるとしたら、自分の最も好きなやり方を考えます。家族や、だいそれた事や、特別カッコイイからでは無く、純粋に自分の味わいたい世界を考えます。後は、みんなついでの事。おまけであります。旅がしたいなら、何とかして時間を作りましょう。短い旅でも良いから実行しましょう。セーリングが好きなら、ちょっとあいた時間でもやれるように工夫しましょう。別に、何かを成し遂げるわけでも無く、面白い味わいを持つ。そういうのが幸福なんでしょうね。

そこに幻のような夢はありません。あるのは、面白さだけ。それをどんどん続けて行ったら、何と夢までかなってしまう。将来、面白いでは無く、今、面白い。上手になったら面白いと面白くなると思っていましたが、これは間違い。下手でも面白い。上手になっても面白い。何しろ、面白い事しかしないのですから。

それじゃあ乗らないのも、ほっといてくれと言われそうです。確かにその通り。でも、何か、夢の残骸のように見えてしょうがない。キャビンに夢見て、使わない事が解ったら、さっさと切り替えて、違う事をした方が良い。面白い事をした方が良い。面白く無い事はしない方が良い。

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