第百話 買い替えの時

車は古くなってきたら、新しいのに買い換えたくなります。ヨットは多少古くても、20年も30年ものれますから、それでも買い替えたくなるのは、サイズを大きくしたい時、或いは、クルーが居なくて
もっとひとりでも簡単に乗れるように、或いは、年齢を重ねてきたときに小さくしたりします。

もうひとつは、違うフィーリングが味わいたくなった時です。レーサーからクルージング艇へ、クルージング艇からスポーツ艇へ、同じ帆走でも味わいは全く違ってきますから、面白さが違ってきます。
もし、違う味わいを得たいと思ったら、それも買い替えのチャンスかもしれません。これまでは、物理的にどうか、動かせるか、遠くまでいけるか、何人乗れるか、いろいろな事で買い替えようかなと考えますが、フィーリングを変えたいという事でそうする事もあります。

セーリングを主体に乗ると、各艇のセーリングの感じが違う事に気付きます。しかも、クルージング艇とデイセーラーなんかは全く違ってきます。そのお面白さは、キャンピングカーからスポーツカーに乗り換えたような感覚ではないかと思います。そういうのも、ヨットには実に面白い。いろんなセーリング、いろんなヨットがあるもんだなあと思います。

走る楽しさ。その感覚の違い。ヨットによってこんなにも違うものか、と感じる事があります。我々は仕事でいろんなヨットに乗るチャンスがありますが、一般的なオーナーにとってはなかなか、そういうチャンスはありません。もし、知り合いのオーナーがおられるなら、できる限りいろんなヨットに乗せてもらったら、いろんなフィーリングが味わえますので、面白いかと思います。できれば、コンセプトの全く違うヨットが良いでしょう。ひょっとしたら、これは、と思う事があるかもしれません。もし、無いにしても、自分のヨットがまた好きになるかもしれませんので、それはそれで良い。

今日は、アレリオンの納艇がありましたので、10m前後の風速の中、オーナーさんとその仲間の方々とで走ってきました。やはり、私が言うのもなんですが、やっぱり面白い。少なからず、皆さん方にも気に入って頂けたと思います。まだまだ、デイセーラーは未知の世界です。レーサーでは無い、セーリングを純粋に遊ぶヨットとしては、最高なのではないかと思います。

クルージングからセーリングの面白さへ、そういう啓蒙活動をこれからも続けていきたいと思います。同じデイセーラーでも、やはり各艇によって感じは違います。それがまた良いところで、セーリングの面白さもいろいろある。この商売をしているお陰で、いろいろ乗れるチャンスができてとても運が良い。そう思います。

皆さんも是非、自分のフィーリングにピタリと合うヨットに出会える事を願います。そうしたら、面白さはまたぐんと上がります。できれば、是非、セーリングをもっと楽しんで頂きたいと思います。

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