第八十五話 夏

暑い夏がやってきました。これからは連日30度を超える。昔はそうでもなかったのですが、昨今の地球温暖化現象でしょうか、30度超は当たり前の感があります。真夏になると35度にもなる。異常ですね。環境問題はG8で話合いがなされていますが、各国のエゴがありますから、そう簡単では無い。でも、やがては解決されなければならない問題でもあります。

という事は、いずれは経済最優先という主義ではやっていけない。環境をも考慮しながら進むしかない。まあ、これもまた経済の一部となるのでしょうが。そこで、この暑い夏は、どちらかと言いますとオフシーズンを意味する。暑すぎる。直射日光は痛いくらいです。それで、夏は日が沈む頃が良いという事になります。夏はオフシーズン? 否、サンセットセーリングの季節でしょう。

慣れた海域でも、夜間はまた別な感じがします。怖さもあるので、少し慣れる必要があります。月夜には結構明るいので、ムーンセーリングがいいかも。そんな時は、バタバタしないで、ゆったりとセーリングを味わう。まさしく優雅に。これを味わう事ができるようになると、仕事が終わってからでも行けるかもしれません。金曜の夕方から夜にかけてとか。

必要な事は、気軽さという事になります。マリーナまで行く、簡単に出せる。1時間か2時間ぐらい。こういう時はひとりよりも二人が良い。コクピットで食事しても良い。使い方はいろいろ考えられます。でも、普段からしなれないと、気軽には行けません。でも、一度はやってみる価値はあると思います。そしてヨットを出すのは簡単にしておく必要がありますね。ハッスルすると暑いですから。メインか又は、ジブだけでも良いと思います。いかにセーリングするかでは無く、ふらっと散歩程度に考えて、ゆったりセーリングも、夜は一味違います。これも粋な使い方のひとつではないでしょうか?
ただ、マリーナ迄遠いと、なかなかこうは行かないかもしれませんね。

海の世界は別世界、夜はまた別世界、セーリングがまた別世界、それに日常の世界を加えますと、世界は4つになります。これらを兼ね合わせますと、世界はもっと増える。早朝の海、昼間、夕方、夜の海、そこにどんなセーリングをするかでも違う。何が違うかといって、気分が違います。早朝の爽やかさ、昼間のエキサイティング、夜の優雅さ、そういう違う気分を味わう事ができるのは幸福であります。この気分が最も重要かと思います。その気分は我々が見、体験する事によって影響されます。つまり、バリエーションがあれば、あるだけ違う気分を味わえる。いろんな気分、いろんな味わい、それらをたくさん味わうというのが、生きている証拠ではないかと思います。中には、嫌な気分もありますが、それらを全部引き受ける事ができれば、最高の人生ではないかと思います。

この気分を全て受け入れる事ができたなら、性能が良いとか、腕が良いとかとは比べ物にならない。しかし、性能が良いと、腕が良いと、気分も良い。必ずしも一致しませんが。気分は物や環境に影響を受けますので、どうでも良いとはいきませんが、求めるは最終的には良い気分、そしてもっと行きますと、全てを受け入れる事ができるかどうかになるのかもしれません。

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