第二十二話 米国東海岸のセーバーヨット社

日本ではまだまだあまり知られておりませんが、このセーバー社は欧米では、ファーストクラスとして有名な造船所です。米国東海岸のメイン州に位置し、プロダクション艇でありながらも、かなりオーナーのご希望を叶えようという姿勢があり、高く評価されております。

デザインは東海岸らしくトラディショナルな雰囲気にモダンなデザインをブレンドし、主に外洋艇を建造しています。また、2007年には新しくセーバースピリットとしてデイセーラーを建造しております。このデイセーラーは2008年 ボートオブザイヤー(デイセーラー部門)を獲得、これで、セーバー社の排出するモデルは全て同賞を獲得した事になります。




























他のデイセーラーとは違って、内装はシンプルではありますが、その中にもかなり造りこんだ職人の技が見えます。さすが,セーバーという感じですね。外洋艇の造りの品質が見える。

しかしながら、コンセプトはデイ&ウィークエンドセーラーですから、中心はセーリングにあります。
36フィートにして、4,220kgの排水量、それに1,700kgのバラスト(バラスト比40%)。もちろん、低い重心の船体にマストはカーボンですから、その安定性は抜群であります。電動ウィンチを配し、楽にメインをホイストできますし、ジブはセルフタッキングで、ドラムはバウデッキの下に配されています。セーバー社と言いますと、外洋艇と言われるのですが、このセーバースピリットによって、新しい顔を見せてくれました。

セーリングのダウンウィンドにおいては、ファーリングジェネカーを使いますと、気軽に全方向でのセーリングが楽しめると思います。マリーナ出航前に巻いたジェネカーを上げておきます。そして、上りではジブを開き、下りではジブを巻いて、ジェネカーを開く。再び上りになったら、ジェネカーを巻いて、ジブを出す。こんな具合です。そしてセーリング終了したら、マリーナに帰ってジェネカーを下ろす。セーリング中に上げたり、下ろしたりする必要がありませんので、楽ですね。

それに、他のデイセーラーがライフラインを設置していないのに対し、セーバースピリットでは標準装備、但し、取り外しする事も簡単にでき、そこはオーナー次第という事にしています。

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