第九十話 海洋文化

文化はその土地柄に根ざして発展します。その地の特徴が文化を築いたりします。大陸は大陸としての文化が発達し、砂漠があったり、山が多かったり、そして、日本は海に囲まれています。そのせいで漁業が発達し、いろんな漁法があり、海の幸をいただく文化です。さらに、海運は盛んですし、船舶の建造においても優れた技術が発展しました。ところが、レジャーに関しては海の恩恵にあまりあずかっては来なかった。海のおかげで発展してきたのは仕事に関する事ばかりです。それはレジャーどころか、経済発展を優先してきたからだろうと思います。

今や日本経済はいろいろあるとはいえ、世界レベルにまで来ています。ここらで、海のレジャーが発展してもおかしくは無い。四方海だらけの国において、これだけ経済が発展していながら、海のレジャーが身近に無いというのは普通では無いと思います。せいぜい釣り文化ぐらいでしょうか?

海と言えば、海水浴、その他に何があるでしょう?ちょっと思いつかない。ヨットやボート、ジェットスキーにシーカヤック、そういうのは後から、海外からの文化、これもこれまでの事情を察すれば、当然かもしれません。そこで、これからは、海洋王国として、海の文化を発展させる。海は何も埋め立てて土地を広げるばかりが能じゃない。ビジネスばかりが能じゃ無い。

まずは、海をきれいにする心がけ、誰もが海を大事にしたいという気持ちが大切でしょうね。日本に土地は少ないが、海ならたくさんある。海の財産は魚や貝ばかりじゃない。海そのものが財産でもある。もちろん、海は経済的にも有効ですが、それに加えて、国民の財産として大切にしたい。
こればかりは誰も個人所有する事ができないので、みんなの物であるわけです。誰でもきれいな海を見ますと、心和むし、癒されます。

そこで、これからは海を大事にしながら、海で遊ぶ。海は我々みんなの遊園地であります。海沿いに発展しながら、海を大事にして、海で遊びますから、海上保安庁は我々の安全を守る組織にもなってもらわなければなりません。取り締まりが目的では無く、もし万一事故でもあれば、喜んで助けに行きますよ、安心して遊んでくださいという方向ですね。この喜んでが大事です。助けられて、怒られたんではいけません。保安庁や海上警察がいつも船を出して、安全の為に見張りをする。もし何かあれば、携帯電話で連絡すればすぐにかけつけて来てくれる。安心、安全のうちに国民は海を楽しむ事ができる。これなら税金払っても良いかなと思います。

それで、当然ながらヨットです。小学校ぐらいからヨットに乗る体験をしたり、高校生ぐらいになったら、バイクの免許だけでは無く、ヨット免許を取る。そこで彼らが小さなヨットを買ったりして、遊ぶ。
スポーツする。もちろん、安いマリーナや漁港を開放する。大学ぐらいになりますと、バイトして中古のヨットを買ったりしますね。置き場は安いので、それこそお金のかからない遊びになります。今時陸上の方がお金がかかる。それで、社会人になって、いつかはもう少しでかいのを、いつかはこんなヨットを走らせてみたい、そんな若者が増えてくる。まことに健全であります。自然の中で夢中に遊ばせれば、心身ともに健康になる。日本社会もこれで平和がやってくる。

日本は平和、平和と叫びながら、確かに戦争はしてこなかった。しかし、昨今の殺人の多いこと。強盗や犯罪の多い事。日本の平和の為にも、海洋王国日本は海に心を向けるべきであります。
誰もが、海を大事にしようと思う気持ちを持つようになると、日本はとっても良い国になる。それにはヨットは良い。何も海洋王国になって、ヨットのオリンピック選手を育てるとか、再びアメリカズカップに挑戦するとか、そういう事ではありません。そんな事はどうでも良い。それより、国民が海で親しみ、海を大切にしながら遊ぶ事が重要です。すると、誰もがヨットの遊び方が解ります。小さなヨットから大きなヨットまで、たくさんのヨットがあり、国内造船所も盛んになり、独自のコンセプトのヨットも出てくる。海外に輸出したりもしますね。海の恩恵は計り知れません。政府には海洋スポーツ省なるものが必要になります。そこで海がわかった人が大臣になって、日本の海をもっと一般に開かれたものとして、みんなの財産として運営をする。規則を作るばかりが能じゃない。規則はできるだけ少なく、自由をモットーに。そんな人が居れば、もちろん一票投じます。海洋文化夢物語?

次へ          目次へ