第六十六話 遊べる気持ち
| ヨットが準備できても、遊べる気持ちがなければいけませんね。暇がたくさんあるから遊べるとは限りません。時間の無い中で、それをどうにかして遊ぶという事も、だからこそ、その時間は心置きなく遊べるという事もあります。たくさんの時間があるより、かえってその方が充実したりする事もあるようです。 遊び心とは何でしょうか？いつもとはちょっと違った何かをしてみる。自分のパターン化したコースから少しはみ出てみる。役に立つとか、立たないとかは関係無く、ちょっと興味を引いた事をしてみる。遊びとは、本来自分がしなければならない事から少し出て、自分の心から出てきた興味などをやる事ではないでしょうか？生活の為に遊びは直接的には不要、でも、そんな気持ちがわいてきた時、それをする事で、気持ちが柔らかくなる。結構、つまらない事でも、そういう気持ちでやる習慣を持っていると、硬直化した頭脳も柔らかくなるかもしれません。臨機応変という事がどんな場面でも対応できるというのは、柔軟な心があるからでしょう。それには遊び心が必要です。 ヨットに乗ったら、こうでなければならない。という事が無意識に固定化されている事があります。マリーナに来たら、出なければならない。逆に言うと、出れないならマリーナへは行かないという事にもなります。出たら、セールを２枚出さねばならない。場合によっては１枚だけでも良いはず。ひとりで出ても面白く無い。それはどうか確かめてから判断してください。何でもトライしてみて、それから、体験から判断してください。頭はやる前から決め付けてしまいますので、判断しない事が大切かもしれません。そして、何をやるかはイマジネーションがどのくらいあるかにかかってますので、想像力が重要になります。遊び心がたくさんある人というのは、想像力がある人かと思います。想像力がある人の方が楽しく遊べるし、その想像力をつける為には遊ぶ事で養われると思います。ですから、何度も、何度もセーリングに出ると、少しづつ何かが変化してきます。それは想像力が膨らむのではないかと思います。もし、つまらないと思い出したら、それは想像力が失われてきているのかもしれません。それはじわじわと、足音も無くやってくる。気がついたら、退屈していたというような事になる。ですから、自分の気持ちに早く気付く事が大切ではないでしょうか。それには、自分の気持ちを意識する事になります。自分は今どんな気持ちがあるのか？ 今が退屈なだけか、他にしたい事が出てきたのか、早く気付けば、それに早く対応できて、また自分を楽しませる演出ができる。そこにも想像力が必要ですね。 想像というのは、誰でも、ありとあらゆる想像ができるかというとそうでは無く、自分の範囲の想像でしょうから、自分の中から出てきた事、他人とは違う想像になる。ですから、自分らしい事であり、個性でもある。よって、それを今できる事から始めるのが良いと思います。それが最も楽しめる自分のパターンかと思います。 シングルハンドで自由自在に、と想像された方は、今すぐにそれができないにしても、今できるところから初めて、少しづつシングルに向かってにじり寄る。その結果では無く、プロセスも楽しみながらやらなければ続かないので、誰か呼んで一緒に乗るにしても、楽しみながら、でも、シングルを想定しながら乗る。そして、今、何が楽しいのか？それを知る事も必要かもしれません。おしゃべりが楽しい、セーリング自体が楽しい、１回乗っただけでは解りませんので、何度でも乗って、楽しい事はたくさんあるだろうが、その中で最も楽しい事は何か？それを意識して知る。知れば、自然にそっちに向かって進んでいく。それで良いかと思います。意識しないとわからないので、いつも同じパターンの繰り返しになってしまう。それがそこそこ楽しかったら、それで良い。でも、もっと他にに自分らしい楽しみ方があるかもしれません。想像してみましょう。想像できなかったら、遊び方がまだまだ足りませんね。 遊びとは、義務や責任などとは関係無く、自分の中から出てきた最も自分らしい個性でしょうから、 それを意識する事は、いち早く実行できるという事になると思います。解っているようで、解らないのが自分ですから、早く解った方がより遊べる。想像した中で、今から実行できる事から始めて、やっていくうちに、つまり遊んでいくうちに、想像力は強化され、もっといろんな想像ができるようになると思います。 今、多くの方々が大きなキャビンヨットを持って、遊びきれて居ない事実があります。それはそのキャビンヨットを遊んでいないから、先の想像力が働かないのではないか？本当は何を遊びたいのか？ワクワクするような気持ちはどこから来るのか？もっと、自分の気持ちに注意を向けた方が良いのではと思います。 |