第六十三話 時間割り

1回のセーリングを2〜3時間で済ます。これに慣れたら、案外気軽です。ただ、マリーナまで行くのが遠い方には不満足かもしれません。でも、デイセーリングだとしたら、2〜3時間のセーリングをして、帰ってきて休憩してもう一回出るか、次の2〜3時間には別の事をする手もあります。例えば、マリーナで寛ぐ、コクピットでゆっくりする。お茶でも飲む、その他いろいろです。マリーナを離れて、別の事をしに行くのでも良い。つまり、ひとつの事を2〜3時間単位に区切る。そうする事で、短時間ですが、集中できる。中身の濃いセーリングができるのではないかと思います。連続して5時間も6時間もとなりますと、かえって充実感が減衰してくるのではないでしょうか。

初めてヨットに来た方でも、5時間も6時間も乗り続けると最初の感動さえ薄れてくる。ひょっとしたら、もう少し乗りたいと思われるかもしれませんが、それぐらいが丁度良い。

旅に出ると、長時間ヨットに乗っています。それが同じ状態が単調に続くと、ちょっと飽きてくる。おしゃべりに興じていても、2〜3時間もすれば別な趣向がほしくなる。ですから、ちょっとした工夫も必要かもしれません。ウォッチ交代でも、3時間交代ぐらいが丁度良い。3人なら6時間寝れる。

家族や仲間を呼んでのクルージング、2〜3時間のセーリングの後、時間があるなら、マリーナに帰ってコクピットで宴会するという手もあります。そういう時はセーリングの話に花が咲く。6時間のセーリングよりも、メリハリがついてます。この宴会も2〜3時間程度。

最初から、マリーナに行く前から、2〜3時間のセーリングと思っていれば、実に気軽な感じがしませんか?それにこのぐらいの時間なら、集中できる。何をするにも、良い時間割りではないかと思うのですが。仕事しても、2〜3時間で一端小休止、そうしたら、また次の2〜3時間が集中できる。9時から働いて、3時間で12時ですから昼食、そして13時から仕事して、2時間、15時にお茶飲んで、17時に終了。こうは実際はいきませんが、そういう時間割りは昔からあるわけです。

つまり、人は長時間同じ事を続けるのは効率が悪い。2〜3時間づつ区切ってした方が集中できるので、仕事も効率が良くて、遊びにも充実感が出る。そう思います。

デイセーリングでも、1日に6時間も7時間も乗るなら、それなりの工夫が必要かもしれません。ヘルムを交代するとか、シングルならそういう事はできませんが、上りと下りが出るので、そういう走り方に工夫するとかです。でも、やっぱり2〜3時間が長すぎず、短すぎずで丁度良い。丁度良いから、何度でもしたくなる。この何度でもしたくなるのがミソです。

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