第六十話 贅沢の極み

自宅近くのマリーナにデイセーリングを気軽に楽しめるヨットを置いて、遠くの気に入ったスポットに大きなキャビンヨットを置く。そんな事ができれば最高でしょうね。日常はシングルでセーリングを極め、年に1回か2回、飛行機で飛んで、そこでたっぷりとクルージングを楽しむ。それも数年おきに、沖縄、長崎や瀬戸内海や、日本海側や、或いはハワイなんてあっちこっちに誰かに頼んで移動させておきます。気にいった時期に好きなだけ、好きな場所で遊べる。そんな贅沢の極みみたいな事をしている日本人は知りませんが、外国には居ますね。

数年前、、あるアメリカ人ですが、ヨットを今はフランスに置いているそうな。あるスイス人は世界一周する工程で、行った先々でヨットを置いて帰る。半年働いて、またその後続きをするそうだ。考えてみたら、今は飛行機の時代、1日あれば地球の裏側まで行ける。世界のどこにおいていても、その気になれば、飛んで、そこで1週間とか2週間とかでも遊べます。世界一周しなくても良い。次のポートに誰かに運んでもらう事もできる。

そうグローバルに考えますと、日本国内なんて狭いもんです。どこでも庭先みたいなもんです。海外にはオーナーがヨット買って、それを使わない時はチャーター会社に預けて、その間はチャーターに出すという方法もやってる。その間、保管の心配は無いし、プロのメインテナンスが受けられます。

贅沢というのは、ヨットそのものが贅沢という事もあるでしょうが、使う側の贅沢な使い方というのもあります。

或いは、友人同士が九州と東京に居て、お互いが自分のヨットと、お互い貸しあうという手もあります。そうしたら、互いに九州と関東を楽しめる。所変われば気分も変わり、刺激になって楽しめる。3人寄れば、3箇所楽しめる。

ヨットの何が楽しいかと言って、最高のセーリングか、或いは、違った場所かでしょう。最高のセーリングを味わうには身近にあって何度も乗りながら求めるしかありません。一方、場所については、移動するしかない。ヨットで移動するのは大変ですし時間もかかる。ならば自分だけが移動すれば良い。旅の道中を楽しみたい方は別ですが。

さしずめ、日本国内で移動を考える。これは案外やってみるとどうって事ないかもしれません。難しく考えると出来ないという結論になりますが、気持ちの持ちようによっては面白い事かもしれません。せっかくのヨットですからとすぐに貧乏人根性を出して、しょっちゅう使わないともったいないと考えてしまいますが、物理的に無理なら、濃厚な使い方を考えてみましょう。

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