第三十一話 リゾート

リゾートと言いますと別荘とかを思い浮かべます。言うならば、ヨットをリゾート的に遊ぶという事が考えられますし、多くはそういう事をイメージされているのではないかと思う次第です。そう考えますと、ヨットにはリゾートの雰囲気たっぷりにしたくなります。しゃれたデザインに、内装もおしゃれ、設備も整う必要があります。マリーナも、そういうリゾートの雰囲気たっぷりであってほしいものです。

リゾートには時間がたっぷり必要になります。バタバタ来て、さっと出て、さっと帰るなんてのは無粋ですから、ゆったりと構えて、たとえマリーナを出航しなくても、良い雰囲気の中で、寛ぐ事ができる。マリーナもリゾートなら、ヨットもリゾート、そして当然ながらオーナーもリゾートの中に居なければなりません。

ところが、実際は時間が無いとか、マリーナがそういう雰囲気では無いとか、ヨットでゆったり過ごせないとか、反リゾートな事が実に多い。せっかくヨットはリゾート的なのに、これでは充分にヨットを楽しむ事ができません。それで、日本のヨットの使い方はリゾート的では無く、スポーツ的にした方が合うという事です。時間が限られていても、リゾート雰囲気のマリーナじゃなくても構わない。それに、近くにおいていてはリゾート気分にはならないものです。

近くに大きな公園があります。きれいな公園、広々として、手入れ行き届いています。多くの人達が
遠くからでもこの公園にやってくる。でも、近くに住む人達はめったには行かないのです。ただ、ジョギングなんかだったら行きますね。求める物が隣にあっては、その価値は下がってしまう。パリやニューヨークが電車でいけるなら面白く無い。地中海がすぐそこにあったとしても、1時間ぐらいで帰ってしまう。それと同じじゃないかと思うのです。マリーナまで2時間ぐらいかかるとしても、それは中途半端なんです。そこでリゾート的に何日も過ごせない。時間よりも距離の問題でしょう。近ければ、近い程、使うのもちょっとになります。遠ければ遠いほど、ゆったりできる。

近場に置くヨットはスポーツ的に使う方が合っていると思います。ちょいとスポーツしてくる感覚です。もちろん、ピクニックもします。そこから遠くへクルージングするのがリゾート的です。でも、そう度々はできませんし、短期ではヨットで行ける範囲も狭い。それに時間が経ったら帰らなければなりません。スポーツの場合は違います。セーリングそのものが目的ですから、短時間でも良いし、風さえあれば良い。マリーナがリゾート的で無くても、なんら差し支えありません。セーリングが快適で面白ければ良い。その為に、学び、メインテナンスをするのはリゾートでは無く、スポーツ的です。

ですから、近場にヨットを置く時はスポーツする。そして、いっその事リゾート目的なら、そういうリゾート地のマリーナにヨットを置くのも悪くない考えです。全く異なる雰囲気とか、好きな景観のある場所とか、まとめて休みを取って行こうとするような所です。遠いと年に何回も行けないかもしれません。ならば、友人にも使ってもらったら良い。ヨットの管理はどうするんだ、という事もありますが、そういう世話ができるように計画中です。具体的になったら、報告します。

空港への出迎えから始まって、ヨットの管理、メインテナンス、船長の手配からインストラクターの手配まで、全部何でもやれるように考えています。オーナーは電話1本で、来る事を知らせてもらえば、ヨットの冷蔵庫に食料を入れ、燃料、清水満タンにして、きれいにヨットを洗って待ってます。オーナーはリゾートを満喫するだけです。今回は家族だけなら、或いは友人に貸すとしたら、船長も手配できる。あるいは、操船を習いたいならインストラクターをつける。終わったら、オーナーはさっと帰るだけ。後片付けも不要です。リゾートとはこうあるべきでしょう。おまけに地方のマリーナの係留料金は安い。大都市のマリーナの係留料金を考えたら、交通費からリゾート費用が全部出る。

つまり、ヨットの使い方をスポーツ的にセーリングを追求していく乗り方か、リゾート的に楽しむのり方かを考えて、最も楽しめるやり方を考える必要がある。さあ、どっちが自分の好む乗り方でしょうか?別荘としても使えますよ、と言われて購入したヨット。でも、そういう気分になれないのではないでしょうか?別荘はどこにあっても良いわけじゃない。それに本物の別荘なら、何でもかんでも自分でしなければなりません。おまけにそれが、そういう雰囲気の地になかったら、使えない。使う気分が違ってきます。ですが、そのマリーナが雰囲気たっぷりで、美しくて、気分良くて、おまけにそこに何でも揃うサービスがあるとしたら、どうでしょうか?そういう提案を近々できると思います。

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