第四十二話 舵誌

日本の唯一のヨット雑誌である舵誌において、ついに、ヨットジャンルのひとつとしてデイセーラーが入って来ました。今回、当社のアレリオン33の写真が間に合わなかったので、掲載されませんでしたが、それにしても、この事は非常に嬉しい限りです。

これまで誰も見向きもしなかったデイセーラーに少しでも光があたってきた事は、これから先の日本においても、この流れが少しは入り込んでくる可能性が高い。そう見てます。本来はこのデイセーラーというのは非常に実用性も高く、日本人の使い方からしてピッタリ合うヨットだと思っています。それがメジャーの雑誌にも、他の一般ジャンルと同列で掲載されてきたのは、私にとってはおおいに意義のある事なのです。

前にも書きましたが、デイセーラーという言葉が、これらヨットの姿を本当に言い表しているとは思いません。本来は、もっとセーリングを気軽に楽しみましょうという考え方から、デザインを起こしてみるとデイセーラーという言葉を使うようになった。そう思います。セーリングを堪能するヨットとして、本当はセーリングヨットという言葉の方が良いのですが、この言葉は総称でもありますので、デイセーラーという言葉になったのだと思います。

デイセーラーというのは、何も昼間しか乗っちゃいけないわけじゃないし、オーバーナイトでどこかに行っても良いわけです。ただ。重点はセーリングにあるという事で、それを重視すると、キャビンが犠牲になって狭くなった。でも、セーリングが面白いなら、それで良いし、キャビンは多少シンプルでも良い。その分セーリングが面白いわけですから。

セーリング程、幅の広いものはありません。初心者を遊んでくれますし、プロのセーラーだって、完璧には行かない。初心者でも感動できるし、ベテランでも同じ事です。それに乗り手の意識を反映します。乗り手がセーリングに意識をおけば、それなりの反応をかえしてくれて、ピクニック気分なら、それもそれなりです。ですから、同じセーリングをしていても、同じ長いキャリアを持っていても、内容は全く違ってきます。

どれが良いとか悪いとか、上でも下でも無く、何を経験したいか、それが全てではないでしょうか。
人生は味わいです。ヨットもその中のひとつです。どんな味わいを持っていくか、それは全て自分次第、だからこそ、ヨットならではのセーリングをお奨めしております。来年早々には、アレリオンとノルディックフォークが入ってきます。また、詳しくご紹介したいと思います。これからも、デイセーラー、シングルハンドヨットの普及に努めできるだけ書き続けていきたいと思いますので、どうぞ、宜しくお願い致します。

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