第十三話 遊び方

家族でのクルージングをしたいと考えている方は多い。でも、何故、家族が来ないのか?それは、家族でヨットを考えていないからです。家族のヨットでは無く、お父さんのヨットであり、お父さんは家族を招待する気持ちになっていないでしょうか。それでは家族はヨットとともに育たないと思います。家族でのクルージングを考えておられるなら、家族で運営を考え、家族で計画をし、家族で掃除もするし、メインテナンスもする。全般に家族を関わらせないと、家族は、そのうち別な用事でどこかに行ってしまう.。子供が親父に、シート交換した方が良いとか、そういう事を言い出すなら良い。
ヨットを自分の事として自分の中に取り入れています。そうならないと、家族が常時来る事はないだろうと思います。

アメリカのマリーナに行った時ですが、親子でチークにニスを塗っていました。そういう事が必要だろうと思います。そうでなければ、家族はゲストとして招待されただけです。それじゃ、家族は深くは関われないのです。それが日本の一般的なファミリークルージングではなかろうかと思います。
こういう状況のヨットなら、ヨットは家族では無く、お父さんのヨットです。お父さんのヨットですから、面倒見るのはお父さんがしなければなりません。そして、家族が来ない時の乗り方、これがこのヨットの主たる使い方になります。そうしますと、主たる使い方は家族ではありませんから、これをどう運営するかです。これがうまくいかないと家族だって招待できなくなります。

以前、日本ではファミリークルージングは無いと書きました。それは運営の仕方が間違っている。ファミリークルージングを本気で考えるなら、奥さんも子供達も、全てにおいてヨットに関わらせないといけません。そうしないと、家族はヨットを自分の意識の中に入れないからです。或いは、一番端っこになるわけです。

つまり、人は深く関わらないと、本気ではできません。仲間や家族がしょっちゅう来るには、深く、普段から関わる必要があります。そうやって家族でのクルージングを運営していくのはどうでしょうか?本当は家族でどんどん乗ってもらいたいんです。子供にもセーリングの面白さを味あわせてあげたい。外国で子供が気楽にヨットにのってます。是非、そうしてください。

そうで無いなら、家族はたまにしか来ないなら、それ以外の時が主役になるわけですから、そういう時にどんな運営をするかが、遊びの主役になります。クルーが居るなら、クルーにも深く関わらせる事が大事です。運営計画からメインテナンスまで全部関わらせる。それをしないと、クルーもどう運営していくかを考えるようにならないと、すみません、今日は何々の用事でこれませんとか、そういう事になる。そういう事が頻繁になる。面白いというのは、自分が主になったとき、或いは主の一部をになった時です。

招待する以外がヨット遊びの主役です。ですから、クルーとの関わり、家族との関わり、或いは自分ひとりでのシングルでの遊び、そういう事の運営を面白いものに演出しなければなりません。それが面白いものであって、はじめて、招待した時の面白さもステータスもある。そう思うのですが、いかがでしょうか。

ですから、ヨット運営の仕方としては、家族、仲間を深く関わらせるか、或いはゲスト状態にするか
それによって運営の仕方は変わるでしょう。家族や仲間は招待程度にするなら、クルーとの関わりの中で、或いはシングルでの運営を考える。それが基本的な使い方になります。その基本的使い方をもって、ヨットのサイズであるとかを考えなければなりません。そして、できるだけ少ない人数で、できればシングルでも気易くセーリングを堪能できるならば、運営はいとも簡単にやっていけます。シングルやダブルで運営する時、それはセーリングを堪能する以外に何があるでしょう。セーリングを追及しながら進化する自分を楽しむ。

快適や爽やか、そういう気分はゲストを招待した時です。ピクニックセーリングはそういう時に行うのが良い。でも、もし、家族を本気でヨットに誘い込みたいなら、少し本気で走る事です。ヒールさせてヨットの面白さを垣間見させてやる事です。ピクニックセーリングは良い気分には違い無いですが、それが何時間も続くなら、そう魅力的でも無い。でも本気セーリングはスリルもエキサイティングもあるので、多少スプレー浴びても、嫌になるどころか、もっとと思うようになる。もし、それでもう嫌だと言うなら、彼又は彼女はヨットには向いて無いので、招待程度に留めておく方が良いでしょう。

全般的なヨットの遊び方を考えましょう。そして基本の遊びを考えましょう。それには本気セーリングが一番です。本気セーリングに誰が来るか?来ないか?ピクニックセーリングなら来るか?
何度でも言います。10年、20年、ヨットをやり続けるには本気セーリングです。その中で自分が進化していく姿を確認しながらやるのが良いと思いますが、いかがでしょうか?

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