第四十三話 サザンプトボートショー

ヨーロッパではもう秋のボートショーの準備が始まりました。そのかわきりが、英国で行われるサザンプトボートーショーです。5年ぐらい前には40フィートあたりが激増していたのが、今年は50フィートがかなり増える模様です。皆さんご存知のブランドの50フィート前後のヨットが出品されるようです。最も安い価格と最も高い価格の差は4倍ぐらい違うようです。まあ、多少の装備の差はあれ、すごい価格の開きです。

ヨーロッパもシングルハンド用のヨットというジャンルも増えてきています。そして、一方ではビッグサイズも増えてる。どんどんバラエティーに富んでいっています。最近のニュースでは、スワンのナウター社がワンデザインのレーシングヨットを建造、最初の30艇はニューヨークヨットクラブに納めるそうです。このヨットは42フィートで、ニューヨークヨットクラブとの共同開発だそうです。また、ナウター社では最近、最も大きなサイズ、スワン131を進水、バルチックも152フィートを進水させるなど、さすがに桁が違う。もうそれらの詳細を書く気にもなれません。でも、同時に、小さいヨット、シングルハンドなんかも増えてきている。ヨーロッパの幅の広さ、市場の深さに感心させられます。

日本ではまだまだこうはいきませんが、何かのジャンルやサイズなど、ある特定の部分が増える傾向にあるんですが、やはり自分に合う乗り方、サイズとして、小さいものから大きなもの、バラエティーに富んだ増え方をしていくと良いなあと思います。それが健全でしょうし、実際の運営を無視しては、その後が面白くはありませんから。でっかいのに乗れる人は、是非、メガヨットでも入れてほしいですし、シングルが良いと思われる方は、そういうヨットを選んでほしいです。これを間違うと面白く無くなります。

大きいのが良いとかいう事は全くありませんし、自分の運営の仕方に合うサイズで、その中でできるだけ品質の良い物を選んで頂きたいと思います。それに、サイズが大きくなればなる程、常に良いコンディションをキープするには、日頃のメインテナンスが物を言いますから、物によっては、フルタイムのクルーを雇っておく必要も出てきます。こうやって、欧米のヨットは大きなサイズはクルーを雇ってメインテナンスをさせ、そこまで無いのも、プロの業者に常に頼み、そこまで無い物はオーナー自らメインテナンスをされる。

ヨットの運営は、自分が操船できるには留まらず、メインテナンスをどうやるかも含んできます。自分でやるか、業者に任せるか、フルタイムクルーを雇うかです。それは購入時から計画の中にあります。そうしないと、いつまでもきれいには保てませんし、いざ乗る時に不具合があっちこっち出ては、面白くありませんから。

ですから、是非、どういうスタイルで乗るかと、どういうスタイルで維持していくか、そういう面も考慮しながら、永くヨットを楽しむ環境を演出していって下さい。このうち、どれが欠けても悲惨な結果になります。操船のうまい人が大きなヨット買って、操船は問題無いけれども、メインテナンスがほったらかしでも困りますし、そういうヨットはいずれは駄目になります。基本は維持、どうやっていつまでもきれいに、グッドコンディションをキープしていくか、自分でやるか、業者に任せるか、それをきちんと確保して、その中で自分スタイルの乗り方を追求していくのが良いかなと思います。

それさえできるならば、維持がきちんとできるならば、でっかいのでも構わないですが、次に来るのが操船面で、シングルが可能か、クルーをほんとうにきちんと確保できるか、よっぽど大きなサイズではフルタイムで雇い入れる事さえ考えておかなければなりません。それは維持と操船の両面を確保する為です。そういう事をきちんと考慮しておけば、購入から維持まで、そして運営まで、気持ちの良いセーリングが楽しめるようになると思います。まずは、自分でするか、他人に任せるかです。他人に任せるなら、メインテナンスも操船もそれなりの費用を覚悟しておく必要があります。
そうしないと、後でかかる費用に、維持ができなくなり、そうなると操船にも影響してきます。

操船は最近では電動ウィンチとか、いろいろ出てますので、そういう装備を駆使していけば、大きくても楽に操船は可能となります。ですから、やっぱりメインテナンスをどうしていくかが鍵でしょうね。もちろん、メインテナンスがOKでも操船に支障があっては困りますが。

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