第四話 もっと気楽にいきましょう

なんだかんだ一杯書いてきましたが、ヨットというものにそんなにたいそうに考えずに、もっと気楽にやりませんか?何でもかんでも求めずに、気楽に、サイクリングのように、バイクのツーリングのように、ご近所のドライブのように、パパッとセール上げて、スイスイ走って、帰ってくる。それだけでも面白いと思います。

日本に何が必要かと言いますと、この気楽さじゃないかと思いますね。ヨットは高価、贅沢品、確かにそういう面はありますが、それだから、ついついいろんな物を求めてしまう気持ちは解ります。でも、そうなればなる程、特別な時にしか乗れなくなりますよ。今度、みんな集めてバーベキューでもしようかというのは楽しいですが、それと同じのりで、特別なイベントになってしまう。バーベキューてのはしょっちゅうしない。しょっちゅうできるもんでも無い。ですから、それは特別に準備して、人集めて、食材揃えて、やる特別楽しいイベントです。でも、それがヨットと同じになりますと、ヨットも特別になりますから、イベントじゃないと乗れなくなる。本来、そんなもんでは無いと思いますね。

オランダですが、あるお祭りレースで900艇も集まったそうです。しかも、それぞれが自分のヨットを磨き上げて、自慢大会も兼ねたような、決して大きくは無い。でも、それぞれが個性的で、美しくて、気軽で、これで良いんだと思いますね。彼らにとっては自転車感覚なのではないかと思いますね。オランダは自転車も多いらしい。

ヨットに対して、いろんな意見があって、あれが良い、これが良い、いろいろあるでしょう。でも、根底は面白くセーリングしたいわけで、”ちょっと行ってくる”、デイセーリングなら、これぐらい気楽にいきたいもんです。この気楽さが最も日本にほしいですね。

遠くに行く時はイベントにもなるでしょう。行き先調べて、天候調べて、人集めして、食料仕入れて、燃料満タン、清水も入れて、あっちこっちチェックして、スペアーパーツ持って、やる事は一杯です。
やる事多ければそれだけ大変ですから、これはイベントです。それはそれなりに楽しみますが、こんな事毎週毎週やってれません。

それに引き換え、デイセーリングの気楽な事。いや、気楽になれる事。それを日常は満喫して頂きたい。特別なイベントでは無く、日常の楽しみとして、マリーナに行く途中、コンビニによって、その日だけの、弁当か、短時間ならちょこちょこっと買い物して、さっと係船ロープ取って、さっと出る。
サンドイッチ片手に舵握って、コーヒー飲んで(一応ビールはいけません)、風受けて、走って、ドライブ感を感じて、帰る。ちっとも気持ちがヘビーじゃ無い。こんな気軽にできる事をイベントにしてしまうと、こうは行きません。

デイセーリングはかみさんに”一緒に行くか?” ノーなら、”ちょっと行ってくる”程度が良いと思いますよ。関東のようにマリーナが遠いと、それ程簡単じゃないかもしれませんが、このお気楽精神を何とか維持してもらいたいですね。そうすると、ヨットはもっと身近になると思います。身近になればなる程、ヨットはシンプルで良いんです。装備が増えれば増える程、ヨットは遠く離れてしまいます。日常はデイセーリングでお気楽セーリング、宴会や遠出はイベントとして、準備して、集めて、みんなでおおいに楽しむ。そういうメリハリをつければ良いのではと思います。そうすれば、ヨットの活躍の場はおおいに増えていくと思うのですが、いかがでしょう。

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